豊橋の商家駒屋で「ニッポンの前掛け展」

2019/09/03 00:00(公開)
帆前掛けの歴史が分かる「ニッポンの前掛け展」=商家駒屋で
 かつて豊橋が一大産地だった「帆前掛け」の企画展「ニッポンの前掛け展」が、豊橋市二川町の商家駒屋で開かれている。需要が減り、一時は姿を見かけなくなった帆前掛けだが、近年、伝統や価値が見直され、海外での注目も高まる。同展では、貴重な昭和初期のものから新しい感性を融合させた現代の作品まで20点を飾り、その歴史をひも解く。
 軽くて丈夫で温かい帆前掛けは、酒屋や米屋などの屋号が入った日本伝統の仕事着。紡績業が盛んだった豊橋市は一大生産地で、昭和30~40年代には周辺の市も含め1日1万枚が生産されていたが、安価な海外産に押され徐々に衰退していった。
 今年6月、伝統を守り続けていた市内の老舗に社員を派遣し、技術継承に取り組んでいた「エニシング」(東京都)が、駒屋近くの大岩町に新工場をオープンさせたことから、NPO法人二川宿が企画展を開催した。
 会場には、昭和初期に藍で染められた信州のみそメーカーのものや、戦前に米国へ土産として輸出されていた黒色の「一番前掛け」などを展示。東京の問屋で見つかった帆前掛けは、のし紙に包まれ、縁起の良さからお年賀としても人気を集めていた当時の流行も分かる。
 近年では、英国や米国など30カ国に輸出され、機能性やデザインのクールさにも注目が集まる。企画展では、海外のデザイナーの感性を融合させた奇抜なデザインや壁掛けのアート、東日本大震災で被災した染工場に残っていた手ぬぐいの型紙をデザインしたものなど、伝統を生かしながら、現代のマーケットにあった新しい形の帆前掛けも紹介している。
 エニシングの西村和弘社長(46)は「一度は途絶えた帆前掛けの歴史が、こうして続いている姿を見てほしい」と話している。
 10月4日まで。入場無料で午前9時~午後5時。月曜定休。今月15日には、西村社長のトークイベントと工場見学会、端切れの即売会も開く。
(飯塚雪)
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