豊橋市は、新たな屋内スポーツ施設「新アリーナ」の再検討内容について、市議会総務委員会で報告した。市中心部にある豊橋公園内を引き続き建設候補地とし、施設は5000席を基本に武道館などとの複合化も視野に入れて検討していく。財源は、民間の資金や国、県の補助金、交付金の活用を基本にする。今後、詳細な規模、機能を決める。
新アリーナの必要性として、総合体育館(総体)の老朽化が進行し、大規模改修などが必要▽総体の利用の過密化解消▽スポーツ観戦の来場者による経済効果をまちづくりに活用▽防災活動の拠点-の4点を挙げている。
民間の資金やノウハウを活用しながら5000人を収容するアリーナを整備するという従来の考え方は変えず、公設整備にあたり、建設場所、民間資金やノウハウの活用、施設の複合化を検討した。同公園以外の場所で民設民営の話もあったが、実現に至る結果にならなかったという。
5000席について、市側は、来場者による活性化の拠点や、男子プロバスケットボールBリーグの三遠ネオフェニックスのホームアリーナにするためとしている。
新アリーナは市内外から集客が見込まれ、まちのにぎわいの拠点になることが期待される上、豊橋公園は都市機能集積によるコンパクトなまちづくりに適合し、近隣には市役所、豊橋署など公共機関が集積、防災拠点になりうることから、同公園を有力な建設候補地にした。「まずは豊橋公園に整備する方向で考えたい」と市側。
施設の複合化に関しては、築40年以上が経過している武道館などとの複合化も視野に入れ進めていく考えを示した。
ただ、今後の公共施設の考え方などを示す第6次市総合計画の策定が来年度で、2026(令和8)年以降のBリーグライセンスで施設基準が示される時期も不透明など、未確定な要素があるため、今後、新アリーナの詳細な規模、機能を示す。
市議からは、三遠ネオフェニックスが今季、連敗中で成績が振るわない点を指摘する質問もあり、市側は「成績にかかわらず、民間の資金、ノウハウを活用し、5000人収容のアリーナを基本にする」と答えた。
再検討に合わせ、市は屋内スポーツ施設の在り方もまとめ、総体はニーズや実態を踏まえながら新たな時代に見合った改修を施すなど、計画的に施設の充実を図る。10館配置の地区体育館は、建物の安全性や機能性、利用実態などを踏まえ、施設数を減らしながらも機能や利便性を向上させるなど質の充実を図る方針を出した。
(中村晋也)