豊橋市内で約70年前に発見された化石「牛川人骨」について、東京大学総合研究博物館の諏訪元特任教授らの研究グループは、断面画像や形態的特徴などからヒグマの骨の可能性が高いと結論づけた。論文として、日本人類学会の機関誌に発表した。
化石骨は同市牛川町の採石場で1957年に発見され、鈴木尚氏(東京大学教授)が人骨と鑑定した。一方、動物の骨とする異説も2001年頃から有力視された。諏訪特任教授は昨年11月に豊橋市内であった市文化財センターの歴史講演会で、クマの骨という研究成果の一端を示していた。
今回の研究では化石骨の断面画像と3次元モデルを使った比較分析で2万年前のクマの骨と結論付けた。さらに、形態的な特徴や、当時の本州に生息した哺乳類の分布などを踏まえ、ヒグマの可能性が高いとした。
クマの骨と結論付けられたことで、市文化財センターでは今後、市内の歴史をまとめたパンフレットの解説の修正を検討している。発掘現場付近には当時、地元有志らが建てた記念碑もある。
センター担当者は「鈴木氏はその後、縄文時代以前の日本列島や西アジアの化石人類研究で成果を挙げた。古人類調査研究の基礎を作り、考古学史に大きな役割を果たした意義は変わらない」としている。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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