連日暑い日が続き、地球が沸騰しているような状況です。四季の歌に「~夏を愛する人は心強き人 岩を砕く~」とありますが、岩でなく強固で大きな氷も融ける勢いです。各所にクールビズや節電のために、エアコンの設定温度が表示されている場合がありますが、その温度では正直つらいですね。
昔は暑い夏、寒い冬に鍛えることで精神修行にもなり、効果が期待できるからと夏合宿や寒稽古が毎年行われていました。良い思い出はなく、つらく苦しかったことばかりを記憶しています。当時の仲間と語るのは、郷愁なのか二度と経験しなくてよい安堵感からか、「懐かしい」とか「あの時があるから今の自分がある」などの美談が出ます。
努力してきたこと、積み重ねてきたことは絶対に裏切らないと私は信じています。剣道経験者でアナウンサーの有働由美子さんも、高校時代の稽古は厳しく鍛えられ、いつやめるか?今でしょ!と毎日思いながら結局やめずに続けました。そして剣道が成長させてくれ、今の自分があると話しています。
過去を振り返った時、苦境だった時期は一番充実していたという事なんですね。私の今の指導状況は、自分の時のような経験はさせられないし、強制はできない。熱中症警戒アラートが注意を呼びかけてくれるので、稽古時間を短く休憩を多くしています。
それでも剣道具をつけての稽古は汗で重くなって苦しく、少し前まではマスクを着けていたので、窒息しそうであった。もともと剣の修行というのは、単に剣を扱う技術だけでなく、心を練ることを大きな目標にしています。とくに昔の人は胆力を練ることを重視していました。そうすることによって、どんな修羅場になっても冷静沈着を保ち判断力を養えるといわれています。どうしたら教え子たちに剣道をやっていて良かったと思ってもらえるか自問しながら今日も稽古です。
今は暑いが冬になれば、厳寒で床が氷みたいでつらいっす!と私はコラムに書くと思います。まだまだ現代のサムライは未熟です。
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