新型コロナウイルス感染拡大対策のため、春休み開始までの臨時休校に合わせ、4日、東三河の多くの自治体の小学校などで共働き家庭など留守家庭の児童らの「預かり」や「自主登校教室」が始まった。低学年の利用が目立ち、混乱なくスタートした模様だ。
大村秀章知事が1日、共働き家庭など留守家庭の児童の居場所づくりで小学校の施設を利用した「自主登校教室」を設置するよう県内の市町村教育委員会などに要請。各市教委が実施を検討した。
豊橋市
豊橋市教委は4日から、事情により子どもの預け先が確保できない家庭の小学生と中学校特別支援学級1・2年生を対象に小・中学校での「預かり」としてスタートさせた。
初日は、小学校全52校で児童1924人、中学校特別支援学級が3校、4人を受け入れた。小学生は全体の約9%にあたり、低学年の利用が多かった。午前8時半から午後4時まで預かる。
市内でも児童数の多い吉田方小学校は、全校893人の児童のうち低学年を中心に158人が利用。広い間隔を保てるよう1教室に最大20人を目安に学年ごと教室に入り、45分単位で自主学習、読書などで過ごした。教員らが見守り、こまめな手洗いなども促した。
「最初は緊張していた様子の子どもたちだったが、すぐに表情も和らいだ」と本多宏成校長。保護者が迎えに来た際には、見送る教員らに児童たちも笑顔を見せていた。
この日訪れた高学年の児童は「おもしろかった」と言い、母親は「9時から3時まで仕事があるので助かります。一人っ子なので、一人で家に残すのも不安」と話した。
同校は、来週始めに家庭訪問を行い、利用しない児童たちの様子も見る。春休み前にも行い、通知表などを渡す。
豊川市
豊川市内の全26の小学校では4日、児童らの自主登校教室を開設した。子どもたちはそれぞれ教材を持参し、昼をまたぐ場合は弁当も準備。この日の市議会で、市は初日の利用児童は低学年を中心に全体の10・3%にあたる1093人だったとし、24日までの期間中は給食を実施しない方針を示した。
一宮西部小学校では、全校児童の約1割に当たる51人が利用。午前は41人、午後は10人が登校した。児童らは自身の教室で自主学習に励み、巡回した教職員は換気状況も確認しながら見守った。三河地方でも感染者が確認されたこともあり、児童同士でもなるべく接触を避ける対策が取られた。
蒲郡市
蒲郡市では3日から、「自主登校教室」が全13小学校で設置された。市教委によると、3日は西浦を除く12校で計56人が利用した。4日は午前10時までに蒲郡西部を除く12校で69人が訪れたという。
田原市
田原市教委は4日から、新規に「児童クラブ・放課後子ども教室」を利用したい児童を対象にして、6日まで設ける「自主登校教室」で受け入れた。初日は、低学年を中心に18校で16人。手続きの完了後は、地域の児童クラブ・放課後子ども教室を利用することになる。
企業内の託児も利用増
一方、臨時休校が始まり、企業内の託児も利用が増えている。
九つの保育ルームを備える東三河ヤクルト販売(豊橋市)では、小・中学校などの臨時休校の影響で商品の宅配を委託しているヤクルトスタッフやママ社員から子どもの預かりが増えた。大きな混乱はないという。
「お母さんは日頃、子どもの急な病気や家庭の都合で働くことに制約があり、こういうときに影響を受けやすい立場」と同社。子ども同伴での出勤も調整している。