豊橋市議会福祉教育委員会が、「豊橋市の子ども条例制定への準備に関する請願」を趣旨採択した。市民団体「とよはし『子ども』スマイル会議」が求めていた。10年以上活動を続ける同団体の江坂雅世代表は「ほっとしている。条例制定に向けた働きかけは道半ばなので、活動を続けたい」と話した。
請願は、子どもの意見を聴いて施策に反映させる取り組みや、権利を守るための第三者機関の設置などを提言する「子どもの権利条例」の準備を市長に求める内容。会派「とよはし みんなの議会」の古池もも氏は「子どもの権利を当たり前とする土壌をつくるうえで、子ども条例を市民とともに作り始めるのは良いタイミング」と話した。ユネスコの「子どもの権利条約」はあるが、行政や市民らがどのような視点で子どもの声を聞くべきなのかなど、誰でもわかる指針が必要という。
自治体で初めて条例をつくったのは2000年の川崎市。国が23年4月に自治体に子どもの意見を政策に反映させることなどを求める「こども基本法」を施行したことが後押しとなり、新潟県や静岡県藤枝市など、6月末現在で69の自治体で導入されている。
一方、豊橋市では社会全体で子どもと子育てを見守ることなどを定めた「とよはし子育て応援宣言」(18年)はあるが、子どもの権利が明記された条例はない。
福祉教育委で江坂代表は「子どもの権利を守る対策の充実に取り組むことが市の『子ども子育て応援プラン』に明記され、条例制定への準備が整った」と請願理由を述べた。最大会派の自民は、市が準備を進める「市こども計画」を挙げ、「条例の必要性については理解するものの、判断できる段階ではない」とした。
請願の趣旨に賛同する趣旨採択は自民、公民、まちフォーラム。共産、古池氏らは採択を求めた。
「とよはし『子ども』スマイル会議」は10年の浜名湖ボート事故で「子どもの声が生かされたのか」と疑問を持ち、「子どもの命を守りたい」と13年に発足。市内の小中学校への聞き取り調査、教育学の専門家らを招いた講演、市民とのワークショップなどを経て、15年に条例の草案を作成。その後修正を繰り返し、11年かけて趣旨採択にこぎ着けた。
今後は、条例制定に向けて市に働きかけを続けるとともに、子ども条例を伝える活動にも力を入れる。昨年の市の「子ども・子育て支援に関するニーズ調査」で「条例を知っている」と答えた割合は、未就学児の親が37・3%、就学児が32・3%にとどまった。江坂代表らは「まだまだ知られていない。今後は、こども園や専門学校、PTAなどとも連携して、聞き取り調査やワークショップなどを開いて多くの人に知ってもらいたい」と意欲をみせた。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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