フィリピン人留学生3人が介護福祉士に

2020/04/04 00:00(公開)
介護福祉士の国家試験に合格した(左から)チャリティーさんとダニカさん、アイリスさん=田原福祉専門学校で
介護福祉士の国家試験に合格した(左から)チャリティーさんとダニカさん、アイリスさん=田原福祉専門学校で
 田原市立田原福祉専門学校のフィリピン人留学生3人が3月、介護福祉士の国家試験に合格した。「クラスメートや先生がたくさん助けてくれた」と、周囲への感謝を胸に、今月から本格的に介護業界へと飛び込む。
 3人は、母国で看護師をしていたベルナス・アイリス・メリ・グレース・ギルさん(32)と、ヴィリャッパズ・チャリティー・コミダさん(31)、大学で介護を学んだパデリヨ・ダニカ・ジェーン・バニドさん(24)で、いずれもダバオ市出身。
 母国で日本語学校に1年間通っていた3人は、日本語が聞き取れる程度で留学。2年間、日本人の学生たちと通学し、介護の基本や認知症の理解など13科目にわたる国家試験に備えた。
 特に頭を悩ませたのは、難しい漢字が並ぶ病名や体の部位、法律、制度の名前など介護職に必要な専門用語だ。試験前は、1日4~5時間の自習のほか、経済連携協定(EPA)に基づき来日し、社会福祉法人福寿園(同市)で働く介護福祉士候補者たちと一緒に2週間にわたる勉強合宿にも臨んだ。学生同士でグループをつくってお互いをサポートし合うことで、試験までのモチベーション維持にも努めた。
 努力は形となり、同校は今年、留学生3人を含む生徒19人全員が合格した。外国人留学生に限っていえば、合格率は例年、全国平均で4割程度にとどまる中での快挙だった。ダニカさんは「みんなのサポートが力になった。合格できて本当によかった」と喜ぶ。
 3人とも4月から、福寿園の特別養護老人ホームや複合福祉施設で働く。アイリスさんは「学校で学んだことを生かして、利用者のペースに合わせ、尊厳を守る介護をしたい」、チャリティーさんは「優しく立派な介護福祉士になるのが目標。どんどん情熱が高まってきています。笑顔でいいコミュニケーションをとっていきたい」と抱負を語る。
 「ありがとうと言われる仕事に就くのが夢だった」というダニカさんは「マニュアルだけでなく、その人らしさ、尊厳を大切にして外国人でも任せていいと思ってもらえる介護福祉士になりたい」と前を向いた。
(飯塚雪) 
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