大村秀章知事は10日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う県独自の緊急事態宣言を出した。対象は県内全域で、期間は5月6日まで。県民に不要不急の外出、移動の自粛を強く求める内容で、大村知事は「法に基づく国の宣言と内容は同じ。感染を抑え込むため、県民の皆さんと一丸となって取り組んでいきたい」と述べた。
午後1時から県庁で始まった幹部による第6回新型コロナウイルス感染症対策本部会議の席上、大村知事が宣言した。
まず現状について、全国の感染者数が急増しており、県内でも今月上旬から患者数が増加し、感染経路が不明な人も増えていると分析。独自の緊急事態宣言に基づき、県民の生命と健康を守ることを最優先に、医療関係者、市町村、団体企業などすべての理解と協力の下、ありとあらゆる対策を取るとした。
宣言で県民に影響するのは、移動や外出などの自粛要請だ。強制力は無いものの、従来より強い形で県民に求める形になっている。
一方で、医療関係▽高齢者らの生活支援者▽インフラ、飲食料品の供給、生活必需品の小売関係、メディア▽金融や物流、行政サービス-については事業の継続を求めるとした。
具体的対策を盛り込んだ緊急事態措置も決定した。3本柱からなっており、入院医療体制の強化などの「医療面」、休業や失業、学校休業対策などの「県民生活」、県の融資制度の拡充、テレワークの導入促進を進める「経済対策」を主な施策としている。
これに伴い、県庁の対策推進体制を強化し、対策本部長の知事の下、「保健所支援」「広域連携」「特措法対策」「教育対策」「生活・雇用対策」「経済対策」「感染拡大防止・医療対策」の各チームを設置した。大村知事は「人員を重点的に投入していく」と述べた。
一方で、東京都の小池百合子知事がこの日発表した活動自粛を求める事業などは示さなかった。大村知事は「国と足並みをそろえ、自粛と補償をセットにして進めていきたい」などと述べた。
この日、岐阜県の古田肇知事も独自の「非常事態宣言」を出した。
(山田一晶)
記者会見で「緊急事態宣言」と書いたボードを報道陣に示す大村知事=同