「田原の銀紙おじさん」が人気

2020/04/23 00:00(公開)
藤城さんと自慢の作品。帽子にも銀紙の昆虫が飾られている=田原市内の自宅で
藤城さんと自慢の作品。帽子にも銀紙の昆虫が飾られている=田原市内の自宅で
 「田原の銀紙おじさん」として知られる藤城靜男さん(71)=田原市大草町=は、アルミホイルを使って昆虫や動物、果物、野菜などを見事に作りあげる。小学校や保育園、老人施設などで教室を開き、展示会も開催。地域の名物おじさんだ。
 30代の頃に会社の慰安旅行で宿泊した旅館での話にさかのぼる。夕食の鍋のふた替わりのアルミホイルを使ってチョウチョをつくり、仲居さんを驚かせた。それがきっかけで「銀紙細工」の道に。定年退職後、本格的に作り始めた。
 薄いアルミホイルが藤城さんの手にかかると、あっという間に変身する。得意のクモは、最初に脚となるパーツを作り、胴体にくっつけて、わずか5分で完成する。
 どんな作品も細部までこだわり、図鑑や本物の昆虫を観察する。花の蜜を吸うチョウの足の位置などまで、本物と同じようにする。
 これまで手掛けたのは、チョウ、クワガタ、カブトムシなどの昆虫をはじめ、カニ、エビ、カエルなど。さらにメロンやリンゴ、カボチャまで幅広い。作った数は、数えきれないという。
 ペンで着色することも。できる限り実寸大で作る。「うちの店でも飾りたい」との要望があれば、気前よく寄贈する。居酒屋、病院、福祉施設などに並んでいる。遠くは北海道や九州にまである。
 定期的に田原文化会館で開く展示会は好評だ。小学校などで開く教室も、参加者が毎回楽しみにしているほど。
 藤城さんは「アルミホイルは丈夫で、簡単に好きな形になる。昆虫や果物は本物そっくりに作りやすい。これからも続けます」と話す。
(竹下貴信)
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