止まらぬ豊橋在住外国人の相談

2020/05/18 00:01(公開)
SNSでの相談について説明する鈴木さん=豊橋市国際交流協会で
SNSでの相談について説明する鈴木さん=豊橋市国際交流協会で
 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ国の緊急事態宣言は愛知で解除されたが、豊橋市国際交流協会(駅前大通2)の外国人相談窓口には、生活に深刻な影響を受けた市内在住の外国人からの相談が続いている。
 協会によると4月中にあった新型コロナ関連の相談は193件だった。3月中の68件よりも大幅に増えた。
 相談をするのは、ほとんどがブラジル人。日系ブラジル人2世で相談員の鈴木ギダさんによると、雇い止めになり、収入減による生活支援を求めるものが多いという。
 中には家賃が払えず、4月中に退去を求めらた家庭もあった。鈴木さんが交流のあるブラジル人関係者から知人のアパートを紹介した。「相談は1人1件では終わらない。『聞いてほしい』『分かってほしい』という気持ちが伝わってくる」と語る。
 携帯電話料金が支払えず、電話回線を止められた人がいた。通話ができなくなったため、Wi-Fi環境を利用してSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で相談を受け付け、回答した。食べ物を買うこともままならなくなった人には、市のフードバンク事業を紹介した。
 豊橋市では、一律10万円の国の特別定額給付金の申請書が18日から順次、郵送される。今月に入ると「申請書はいつ届くのか」や「マイナンバーカードを手に入れるには、どこで手続きするのか」などといった相談も増えている。
 鈴木さんは「これからは自動車税の納付時期でお金が必要になる。大学や高校の学費も払えない人もいる」と、給付金を当てにしている人が多い理由を説明する。ブラジル人の世帯主には、申請はローマ字表記でもできることをSNSでアドバイスしている。
 市内には、県内最多の8000人超のブラジル人が住んでいる。協会の相談窓口は昨年8月30日に市が設置した。協会が委託を受けて運営している。日本語が十分に話せない人も少なくない。日本人ですら分かりにくい各種の助成制度の問い合わせなどが相次いでいる。より立場の弱い人たちのためのさらなるサポートが必要だ。
(安藤聡)
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