持ち込みごみが急増 「ステイホーム」影響か

2020/06/19 00:00(公開)
豊橋市資源化センター
新型コロナウイルス対策で外出自粛をする人が多かったが、各自治体が設置するごみ処分場などで、自ら粗大ごみなどを運び入れる人によるラッシュが起きていたことが本紙の取材で判明した。現在は収まりつつあるものの、コロナの感染が再拡大すれば、また増える可能性もある。「ステイホーム」で料理や手芸などがブームとなったが、大掃除とごみ出しもその一つか。思わぬコロナの余波が起きていた。
 豊橋市豊栄町の市資源化センターによると、3~5月、持ち込まれたごみの件数は3割前後増えた。重量ベースでも増えているが、それよりも件数が伸びている。「通常の大型連休や年末並みの混雑で、センターに着いてからごみを捨てるまで1時間以上、かかった日もあった」と担当者。通りかかった人によると、センター近くに誘導員を配置し、場内での混乱を回避しようとしていた日もあるという。
 市によると、昨年3月は8086件だったものが今年3月は9677件と20%増加。4月は昨年7886件から1万360件と31%増、5月は昨年9393件から1万2833件と37%増えた(速報値)。
 原因は、コロナで巣ごもりした人たちが、家の中を大掃除し、季節外れの粗大ごみなどが出たことが原因とみられるという。
 蒲郡市西浦町のクリーンセンターでも同様だ。4月は9196件で前年同月比15%増、5月は1万1818件で同19%増。「全国的に同じ現象が起きているのでは」と担当者は言う。このため今月11日「日曜日におけるクリーンセンターの受付時間について(ご協力のお願い)」と題する記事を市のホームページ(HP)で公開した。
 日曜午前に搬入する一般車両が急増しているため、「午後2時から3時過ぎが比較的空いている」とアナウンス。さらに平日の利用を呼び掛けている。担当者は「暑くなってきたこと、緊急事態宣言が解除され、社会生活が戻りつつあることから、6月は減少傾向にある」としながらも、今後コロナの第2波が発生した場合、「大掃除」が再びブームとなり、同様の現象が起きるのでは、と危惧している。
 名古屋市はさらに深刻だ。市内16カ所に環境事業所があり、受け付けのうえ、処分場への搬入を認めているが、やはり3~5月の件数は前年を大きく上回った。
 市環境局によると、各月の1日平均の搬入件数は、昨年3月は109件だったが、今年は140件で24%増。4月は昨年103件から145件と40%増、5月は昨年127件から181件と37%増えた。大型連休中は前年が100件だったのに396件と4倍近くになった日もあったという。「大型連休は、処理場に来てから1時間半近く待つのが当たり前だった」と担当者。
 HPでは「新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、接触の機会を減らすため、お急ぎでない持ち込み以外は、お控えいただきますようお願いいたします」と強調。さらに「できるだけ平日に搬入していただくなど、分散しての搬入にご協力いただきますようお願いいたします」と呼び掛けてる。
 ブームに乗らず、大掃除を年末まで控えている人もいるだろう。改めて言われるまでもなく、掃除とごみ出しはこまめにした方が良さそうだ。これも「新しい生活様式」ではないだろうか。
【山田一晶、林大二朗】
蒲郡市クリーンセンターの可燃ごみエリア
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