建物壁面の異常をロボットで調査する実証実験が26日、豊橋市西幸町の豊橋サイエンスコアであった。市内の建設会社三信建材と豊橋技術科学大学による製品開発に向けた共同研究の一環で、実用化すれば調査の少人数化とコスト削減に期待がかかる。
壁面の異常を調査するのは従来、足場を設置したり、高所作業車やゴンドラを用いたりして、熟練職人らが壁に金具を打ち付けた際の音で点検している。機材の設営や無線を通じた情報伝達、写真撮影、報告書作成など人員と期間が必要とされる課題がある。
ロボットはこうした課題を解決するために開発中だ。建物の屋上などからつり下げた2本のベルトを機体の左右に挟み、上下移動させて点検する。機体にはカメラと打音器を搭載させ、横方向に移動させながら壁に金具を打ち込み、音の強弱や計測した音波の波形で異常を確認する。
製品開発は第3セクターのサイエンス・クリエイトが市の補助を受けて産学官連携支援事業として、昨年度から取り組んでいる。同大の佐野滋則准教授(48)は「これまで2週間ほどかかる調査が短期間でできる。コストも10分の1になる」と話している。
実証実験は施設の2~5階部分に2本ベルトを設置。壁づたいに左右に機体を動かして壁面を点検した。風が強かったため、昇降は取りやめた。
石田敦則社長(60)は「風に影響されるという課題があった。他の課題も含めて改善し、来年度に実用化できるようにしたい」と話した。
【安藤聡】