豊橋の割烹一平で恒例の寄席が再開

2020/10/05 00:00(公開)
8カ月ぶりの寄席で、客席を大いに笑わせる微笑亭さん太さん=一平で
8カ月ぶりの寄席で、客席を大いに笑わせる微笑亭さん太さん=一平で
 豊橋市松葉町2の「割烹(かっぽう)一平」で3日午後、8カ月ぶりの落語会「一平寄席」があった。演者は豊橋落語天狗連の微笑亭さん太さん。創作落語と古典落語を演じ、客席は大いに沸いた。
 おかみの杉浦由美子さんが昨年8月から始めた2カ月に1度の寄席だ。毎回20人以上のファンが訪れていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2月の高座を最後に中断していた。
 しかし、コロナも下火になり「落語が聞きたい」というリクエストが多かったことから再開を決断。かぶりつきの席を無くし、社会的距離を確保しての寄席が実現した。
 この日の観客は13人。さん太さんは自作の創作落語「三者面談」と「茂造の恋」、古典の「岸柳島」をかけた。落語協会主催の「落語台本コンクール」で5年連続の優秀賞を受賞しているさん太さん。3題とも、新首相やコロナなどの時事ネタを取り込んだ評判のマクラで客をくすぐり、大いに笑わせた。
 「三者面談」は、学校に無断でアルバイトを始めた高校生と、それを見つけた教師の話し合いがおかしな方向に進んでいく。「岸柳島」は、江戸時代の侍がコロナで耳慣れたセリフをいきなり叫ぶ。「茂造」は再び現代に戻り、病院を困らせる助平な年寄りの入院患者と、若い看護師が織りなす人情噺(はなし)だ。
 サゲも逸品で、客席からは笑いと大きな拍手が起きた。杉浦さんは「寄席を開いて本当に良かった」と話していた。
 次回は12月開催予定。
【山田一晶】
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