豊川市平和公園で戦争遺跡を学ぶ講演

2020/11/15 00:00(公開)
伊藤氏による戦争遺跡を学ぶ講座=豊川市平和交流館で
伊藤氏による戦争遺跡を学ぶ講座=豊川市平和交流館で
 豊川市平和公園内の平和交流館で14日、名古屋市教育委員会文化財保護室の伊藤厚史氏による専門講座「豊橋の戦争遺跡 本土決戦準備の遺構を中心に」が開かれ、約50人が参加した。
 伊藤氏は明治から大正、昭和に至るまでの西南戦争や日露戦争といった時代背景を踏まえ、現在の豊橋市や渥美半島に戦争関連の施設が整備された経緯を写真やイラストを使って解説した。
 米国との戦局が厳しくなる中、本土防衛の一環で日本軍は各地に水際陣地を設けた。伊藤氏は豊橋の小島町や東赤沢町、伊古部町などにあった陣地を紹介し、樹木が生い茂り、急斜面などの地形を生かして想定された防衛作戦を説明した。
 また、大岩町や田原市の伊良湖岬にあった榴弾(りゅうだん)砲陣地についても紹介。伊良湖水道からの米軍の上陸を阻止するため、周囲に歩兵が展開したことも明かした。山中に戦車や物資を保管しておく攻撃準備築城地帯なども紹介した。豊橋市嵩山町や多米町に痕跡が見られるという。
 伊藤氏は、昭和の戦争を主導した軍人が江戸や明治時代を生きた親や教育者から思想の影響を受けたことを指摘、戦後75年を経た現代は戦争を知らない世代の心掛けが重要だと強調。「戦争をしていない時代を延ばしている事実に自信と自負を持つことが大切だ」と訴えた。
【由本裕貴】
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