「捨て猫、のら猫、虐待、殺処分ゼロ」を掲げ、東三河で活動する動物福祉団体「命にやさしいまちづくり ハーツ」(古橋幸子代表)が17日、活動資金を募るクラウドファンディング(CF)を開始した。物価高騰や保護猫の増加により運営費が大幅に不足し、団体の存続自体が危ぶまれる中、「672匹の命を守るため、絶対に諦めない」と支援を呼びかけている。
ハーツは2002年の発足以来、23年間で9000匹以上の野良猫に不妊・去勢手術を行い、2400匹を譲渡してきた。現在も4カ所のシェルターで275匹、メンバーやサポーターの自宅で260匹、公園などの「世話猫」として137匹、合計672匹もの猫を保護・管理している。
しかし、昨今の物価高騰や、過去最多となった不妊・去勢手術(952匹)や子猫の保護(165匹)などが重なり、運営費は年間2550万円を超え、約800万円の累積赤字を抱える事態となった。公的助成金はなく、これまでの活動は寄付やボランティアの持ち出しで支えられてきたが、限界を迎えているという。「昨年は『来年になったらもう少し活動も身体も楽になるはずだから』と自分に言い聞かせているうちに、1年が過ぎました。ところが、楽になるどころか、今年はこれまでで一番ハードな年になりました」と古橋代表。
今回のCFの最終目標は600万円(最初のゴールが200万円で、この金額に届いた場合のみ支援金を受けられる「オール・オア・ナッシング方式」)。集まった資金は、全盲や下半身不随など重篤な病気や障害を持つ猫が多く暮らす「第2シェルター」の医療費などに充てられる。募集期間は来年2月14日午後11時まで。
古橋代表は「ハーツの存続と、シェルターの猫たちの運命がかかっている。一日も早くボランティアが必要なくなる日が来ることを願いながら、決して諦めずに活動を続けたい」と、切実な思いを訴えている。支援はCFサイト「READYFOR」のプロジェクトページから可能。
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1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。
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