豊川市教委は15日、名古屋大学豊川フィールドで「豊川海軍工廠(こうしょう)跡地見学会」を開いた。約50人が参加し、今も残る火薬庫や原料置き場、防空壕(ごう)跡などを見た。工廠で勤務したことがある西尾市一色町の池田岩雄さん(95)も参加した。
毎年冬の時期に名大の協力で開催しており、案内は語り継ぎボランティアが担当した。池田さんは1945年4月に工員養成所に入り、その年の8月まで働いた。いろいろな工廠跡地を見てみたいと、友人らと一緒に訪れた。車いすに乗って移動し、火薬庫などを見学した。見学した場所は池田さんが勤務した場所と違っており、「当時は決まった場所しか行くことができなかった」と振り返った。
池田さんを除く参加者は4班に分かれて移動した。水洗だったというトイレをはじめ、室内の温湿度を調整するよう工夫されている火薬庫、空襲の被害が分かる原料置場などを見た。
担当者は「当時の建物が残り、爆弾が落ちたとみられる穴などがある。今も残る空襲の痕跡を多くの人に見てほしい」と話す。見学会は来年1月24日、2月8日と21日にもある。無料。申し込みは同市平和交流会館(0533・95・3069)へ。
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1973年生まれ、豊川市出身。建設業界に勤務後、96年に入社。2022年から豊川市を担当している。趣味は美術館巡り。ポッドキャストでラジオを聞くのも好きで、さまざまな番組を楽しんでいる。
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