「死」をテーマにしたシンポジウム 田原文化会館で「ばったり堂」が企画

2025/12/14 00:00(公開)
死について語る内浦さん㊧と島田さん=田原文化会館で(提供)
死について語る内浦さん㊧と島田さん=田原文化会館で(提供)

 誰もがいつか迎える「死」をテーマに、4人の専門家が多角的な視点から語り合うシンポジウム「『死』って何だろう?~『本・図書館・哲学・怪(かい)・語り継ぎ』の現場から~」がこのほど、田原市田原町の「田原文化会館」で開かれた。市内外からの約100人が聴き入った。

 

 地域の魅力発信に取り組む民間会社「ばったり堂」による初の企画。哲学者で豊橋技術科学大学准教授の岩内章太郎さん、妖怪文化研究家で中学教諭の島田尚幸さん、前市図書館長の豊田高広さん、ばったり堂の内浦有美さんが登壇した。

 

 岩内さんは、「死んだらどうなるかは誰にも分からない。自身や大切な人の死に予感を持っておくことが重要だ」と述べた。島田さんは「科学が解明している死はごく一部で、30㌢定規で例えると目盛りの最後の一点。生は誕生を0とすると30㌢までずっと続く状態」と語った。

 

 豊田さんは、図書館は死者の知恵を借りられる「死者の民主主義のとりで」であると表現。「死をタブー視するのは誰か」という問いを投げかけ、図書館の役割は「地域の課題解決支援」にもあると指摘し、喪失について語り合う場「ロスカフェ」の活動に取り組んでいると話した。内浦さんは語り継ぎの視点から、家族や大切な人との間で「死んだらどうしてほしいか」「死をどう思っているか」を話しておくことが大事だと強調した。亡くなった人の言動や思い出について気負わずに、親子や夫婦の近い関係だけでなく、祖父母と孫、友人などとの「斜めの関係」も活用しながら、思い出や歴史を語り継いでいくことが重要と話した。

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北川壱暉

 1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。

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