22年ぶり首長竜レプリカが地上へ

2021/01/21 00:00(公開)
胴体を降ろす作業員=蒲郡市生命の海科学館で
胴体を降ろす作業員=蒲郡市生命の海科学館で
 蒲郡市生命の海科学館(港町)で20日、天井の修繕工事のため、空中に展示している首長竜「プレシオサウルス」の全身骨格化石(レプリカ)を取り外す作業があった。
 全長10㍍以上の巨体で60個以上の骨が連なる長い首が特徴。頭が小さく、肉食恐竜に似た鋭い歯を使って魚を食べていたと推定される。科学館にあるレプリカは、米・デンバー自然博物館が所蔵する化石の複製。1997年の開館から22年間にわたり、ホールの空中を泳ぐように展示されてきた。
 今回、天井の塗装が一部剥がれ落ちたため、補修工事が必要に。それに伴い、レプリカの展示も外すことになったため、職員が再調査のチャンスと考え、最新の学説に沿った姿に改めることにした。
 作業担当は、展示物に関わる企画を施行する「カトウスタヂオ」(名古屋市)。開館時の取り付けにも関わっていた。
 レプリカの周りに鉄骨の足場を囲み、取れやすいヒレから作業を開始。作業員は接合するボルトをパーツごとに外した。頭と首、胴体はロープで縛り、ゆっくりと地面に下ろしていった。
 作業風景を見ていた山中敦子館長は、「新しい姿に生まれ変わるのが楽しみでしょうがない」と期待を込めて話した。
 レプリカは首長竜研究の第一人者で東京学芸大の佐藤たまき准教授の監修で、新しい姿で展示し直す。3月頃から一般公開の予定。
【林大二朗】
22年ぶりに地面に降りた鋭い顔
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