豊橋の平野さん「芸術選奨新人賞」

2021/03/18 00:00(公開)
芸術選奨新人賞を報告する平野さん㊧=市役所で
 芸術分野で優れた業績をあげた人を顕彰する文化庁「芸術選奨」の評論部門で、豊橋市出身の文学者、平野恵美子さん(八町通5)が文部科学大臣新人賞を受賞した。市役所で17日、浅井由崇市長を訪ねて受賞の喜びなどを報告した。
 平野さんはバレエ史研究などが専門で、ロシアバレエの変遷などをまとめた学術論文「帝室劇場とバレエ・リュス」(未知谷刊)の成果が評価された。
 「バレエ・リュス」とはフランス語で「ロシアのバレエ」の意味。専門家にとってバレエは「フランスが起源」が常識だが、一般では「ロシアが本場」とする認識の隔たりに着目した。
 帝政ロシア時代にあった六つの帝室劇場に関するガイドブック「帝室劇場年鑑」から、演目や上演回数などの記録を丹念に調べた。
 「せむしの仔馬」「火の鳥」などロシアが題材の作品について、上演記録から見た人気の秘密や評価の分かれ目などを考察。バレエ史研究に新境地を開いた功績が認められた。
 浅井市長と対面した平野さんは「幼少時にテレビで見てクラシックバレエが好きになった。鍛えられた肉体美にも引き付けられた」とバレエの魅力を語った。今後は「関連書籍の翻訳を通じて広めたい」と語った。
 芸術選奨は芸術分野で活躍した人を顕彰。11の分野から大臣賞と新人賞を選ぶ。今年度は大衆芸能で作曲家の米津玄師さん、メディア芸術で「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」の吾峠呼世晴さんが新人賞に選ばれた。
【加藤広宣】
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