豊橋・名豊ギャラリーの最終企画展2

2021/04/23 00:00(公開)
16年間の感謝を語る加藤所長=いずれも名豊ギャラリーで
 開発ビル(豊橋市駅前大通2)の解体に伴い、5月5日で16年間の活動を一旦休止する名豊ギャラリーで、最終企画展「人物描写の系譜『東三河の画人(えかきびと)~昭和から平成・令和へ』」パート2が開かれている。地元ゆかりの作家による「人物」に焦点をあてた作品を並べ、ファンが足を運んでいる。
 2005年に名豊ビルにオープンした同ギャラリー。約1000点の収蔵品は大半が地元ゆかりの作家のものだ。郷土作家に焦点をあてた企画展に特に力を入れてきたほか、地域文化発展に寄与しようと地元のアマチュア作家に発表の場も提供してきた。これまでに開いてきた展示会は274回にのぼるという。
 今展は16年間の感謝をこめて開く最終企画展の第2弾。これまでの活動の集大成として、当地で活躍した画家を軸に、昭和から平成、令和まで「人物描写」を主題とした作品を展示している。パート2では特に「人間の内面」を描こうとする作家9作家をピックアップ、三つの時代に分けて紹介した。
 最初は中村正義、大森運夫、星野眞吾3氏の前衛的な作品。続いて高木勲、近藤文雄2氏の風刺を込めた作品、次に大野俊治、鈴木敬三、大手京子、奥津幸浩の現存作家4氏の個性豊かな大作が並ぶ。作家ごとに距離感や色彩、表現方法など「人物」へのアプローチが
異なる様が存分に楽しめる。このほか、パート1のリフレインとして、同ギャラリーと縁の深い作家かつ作品である、森清治郎による「神野りき像」も入り口に展示されている。 
 ギャラリーの今後は未定。「16年間、大変皆さまのお世話になった。遠くから多くの方々に見に来ていただいた。一旦ギャラリーは休止するが、収蔵品も多い。1000を超える収蔵品は『種』。いずれ種から芽が出て花開くことを期待したい」と、同ギャラリーの加藤基吉所長は話す。
【田中博子】
個性豊かな作品が並ぶ
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