章南中などで「豊橋・学校いのちの日」追悼行事

2021/06/19 00:00(公開)
花菜さんの冥福を祈って風船を放つ生徒=章南中学校で
花菜さんの冥福を祈って風船を放つ生徒=章南中学校で
 浜名湖での野外活動中にカッターボートが転覆し、豊橋市立章南中学校1年生の西野花菜さん(当時12歳)が亡くなった事故から11年目の18日、豊橋市内の全小中学校で「豊橋・学校いのちの日」の追悼行事があった。章南中学校では生徒が黄色い風船を大空に飛ばす「バルーン・リリース」で花菜さんをしのんだ。
 同校は始業前、校内放送を使った全校集会を開いた。花菜さんの冥福を祈って黙とうを捧げたあと、鈴木孝昌校長は「事故から11年を迎えたが、風化させてはいけない。きょうは命の大切さを考える日にしてほしい」と生徒に呼び掛けた。
 運動場で催した「バルーン・リリース」は、全校生徒277人が命の大切さや故人への思いを記したメッセージカードを風船に取り付け、一斉に大空へ放った。
 3年生の生徒会長、松島幸来(ここ)さん(15)は「入学まで事故のことは知らなかった。普通に暮らしている日常に感謝して前向きに生きたい。花菜先輩のことは身近な問題として後輩たちに受け継ぎたい」と決意を新たにした。
 同校はこの日、命をテーマにした講演会や授業を実施した。また生前の花菜さんにバイオリンを教えた大竹広治さんの演奏会もあった。花菜さんをしのんで当時の教員がつくった「未来(あした)へ」などの楽曲を、生前に使っていたバイオリンで奏でた。
 事故は2010年6月18日、野外活動のため浜名湖で訓練中のカッターボートが悪天候で転覆。乗っていた生徒18人と教員2人が投げ出され、逆さまの船体内側に閉じ込められた花菜さんが亡くなった。
 【加藤広宣】
全校生徒による黙とう
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