豊川の萩小で伝統の「子ども探鳥会」

2021/06/22 00:00(公開)
権田さん(右後方)の案内で野鳥を観察する子どもたち
権田さん(右後方)の案内で野鳥を観察する子どもたち
 豊川市立萩小学校で、伝統の「子ども探鳥会」が定期的に開かれている。6月は20日にあり、児童8人と教諭らが参加した。30年近くガイドを務める権田茂さん(71)が、地元に残る自然の魅力を伝えている。
 月2回、日曜に実施する探鳥会。萩町内の小学校を出発し、多くの野鳥が生息している東側の観音山方面の農道や山陰川沿いを歩きながら、バードウオッチングを堪能した。
 今回のテーマは「ツバメ」で、校舎の軒下などに作られた巣や、青空を飛ぶ親鳥の姿を双眼鏡で観察した。スズメやノスリなどを見分けたり、ウグイスやキビタキなどのさえずりにも聞き耳を立て、鳥の種類や場所をノートに記録した。伊藤佳登さん(9)は「いろんな種類のツバメを知ることができてうれしかった」と振り返り、細井瑛介さん(7)も「鳥に興味が湧いた。これから外を歩く時には観察したい」と話した。
 旧宝飯郡音羽地区の奥地で、野山に囲まれた萩小独自の行事だ。地元在住の権田さんは29年前、娘たちと参加した親子探鳥会がきっかけで興味を抱いた。当時ガイドを務めた豊橋総合動植物園飼育係の山口仁さんの薫陶を受け、山口さんが亡くなってからは後継者として子どもたちに野鳥の魅力を伝えている。
 毎年児童らに双眼鏡を寄付する権田さんは「小学生のうちから野鳥に親しめば、大人になっても忘れない。歩けるうちは続けたい」と話す。その情熱が実り、児童が卒業記念に校舎やプールの壁画に鳥の絵を描くなどしている。
(由本裕貴)
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