水に着目、無農薬栽培に光明

2021/07/05 00:00(公開)
小久保さんと、酸素ファイターの水を使って育てている菊=田原市で
田原の電照菊農家、小久保さん

 電照菊農家の小久保和洋さん(67)=田原市高松町=は、農薬などをできるだけ使わない栽培方法の研究に取り組んでいる。苦節40年。光明が見え始めた。
 約5000坪のハウスで菊を生産する。20代から栽培方法の研究に力を注ぎ、さまざまな微生物を使うなどしてきたが、最終的に病気が発生したり虫の被害が出たりするなど、うまくいかなかった。
 転機は昨秋。高濃度気体溶解装置「酸素ファイター」を設計製造している「大栄THA」(豊橋市西幸町)の森田通夫代表の出会いだ。水中に酸素を溶かすことができる装置で生成した水を畑にまくことで、微生物の活動が活性化する。病気の発生源になる土の中のカビなどを抑えられ、消毒薬や農薬が減らせると仮説を立てた。
 今春から導入したところ成果が出ている。菊は通常、出荷までに100~120日かかる。6月下旬で2カ月経過したが消毒や農薬をまかなくても順調に育っている。
 小久保さんによると電照菊の栽培は通常、売り上げに対して7~10%の消毒薬や農薬代が必要になる。これを減らして栽培ができれば経費の節減にもなり農家の収入増につながる。
 小久保さんは「これまで水に着目することはなかった。研究の最後のピースが見つかった感じだ」と話す。「農家は誰もが本当は農薬を使いたくない。手のかからない方法なので成功したら普及に尽力したい。電照菊だけでなく野菜などにも応用できる可能性がある」と話す。
【竹下貴信】
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