よみがえった初凧に感激 再生を依頼した川原さん一家

2021/08/18 00:00(公開)
左から和代さん、卓夫さん、藤城会長、葉楠さん、凧師の2人=田原まつり会館で
 田原市の凧(たこ)保存会が4月から後継者育成を兼ねて始めた初凧再生プロジェクトでよみがえった初凧が、今月で20枚を超えた。15日には江南市から初凧再生を依頼した川原卓夫さん一家が田原市の田原まつり会館を訪れ、プロジェクトにとって14~15枚目となる2枚の初凧を受け取った。
 川原さんが再生を依頼したのは、颯馬さん(21)と葉楠さん(17)の2枚の初凧。2人は田原市で生まれ、その際に初凧作りを依頼した。2枚は川原さんが営む会社に飾られていたが、風で紙が剥がれ落ちるほど劣化が進んでいた。本紙の初凧再生プロジェクト紹介記事をネットで見て協会に依頼したという。
 再生された初凧を見て、川原さんは「ここまできれいになるとは驚きました。多くの方々のおかげで生まれ変わったことに、田原の人々との絆を感じます」と話した。葉楠さんは「自分のためにこんなに大きい凧があることに感動しました」とうれしそうだった。妻の和代さんは「就職と大学進学を迎える2人も、凧と一緒に心機一転し、新しいステージで羽ばたいてほしい」と語った。
 保存会の藤城正孝会長は「初凧の再生を通して、新しい凧絵師が誕生するきっかけになっている。昔の技法を真似て描くことで、先達の凧絵師から学ぶのと同じ経験が得られている。皆がいい勉強になったと言っており、再生を依頼してくれる人にも感謝している」と話した。
 再生作業もメンバーが経験を積むにつれて洗練され、今では初期段階なら断っていたような破損の激しい凧でも請け負っている。再生プロジェクトは年内まで受け付ける。修繕で得た技術で今後も後継者育成とともに凧文化の持続と発展を目指していくという。
【岸侑輝】
プロジェクト当初に比べ、再生作業が洗練されている
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