豊川市が「市民農園」利用者を募集

2022/01/25 00:00(公開)
市民農園の看板を手にする丸山さん親子=豊川市篠束町で
 豊川市は、農地所有者が開設する「市民農園」の利用者を募集する。市が農地を借り上げて貸し出す農園はあるが、このような形態は初めて。24日、市が作った「篠束市民農園」の看板が現地に運び込まれた。
 土地は同市篠束町並塚の1500平方㍍。30平方㍍が14区画、22・5平方㍍が46区画ある。年間利用料はそれぞれ8100円と7000円。道路からのアクセスが良く、駐車スペースも確保。豊川用水からの給水栓も新しく設けた。
 所有者は丸山英孜さん(86)。ずっと農業を続けてきたが、引退することになった。先代は桑やタバコを栽培していた土地だという。英孜さんの代になって、白菜やブロッコリー、スイカなどを主力に切り替えた。
 後継は長男の浩史さん(53)。貸し出す土地周辺には2400平方㍍の農地があり、1人では手に余ると考えて検索し、市の制度にたどり着いた。申し込んだのは昨年5月のことだ。
 浩史さんは家電関係の店を営んでおり、これまで農業はしてこなかった。「後を継ごうと思っていたが、させてもらえなかった」と話す。英孜さんが農業の先行きを懸念していたためだという。
 英孜さん引退を機に土地を売ることは考えなかったのだろうか。聞くと「買い手がない」。一帯は市街化調整区域で、売るにも売れないのだ。
 担い手不足で耕作放棄地になってしまうと雑草が生え、虫が周辺の畑に害を与える。そうならないように、市が採り入れたのが今回のような市民農園だ。「どれぐらい、借りる人が出てくるか」と浩史さん。
 利用できるのは市内在住の人。期間は4月1日から2年間。申し込みは2月1日から22日まで、市ホームページの「あいち電子申請・届出システム」=QRコード=か、農務課(0533・89・2138)へ直接、届ける。応募多数の場合は抽選。
【山田一晶】
貸し出される農地
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