蒲郡市と三重県鳥羽市をフェリーで結ぶ特別運航が12日始まった。蒲郡市と「伊勢湾フェリー」による社会実験。多くの人が乗船し、景色を楽しんだ。
2003年まで、竹島ふ頭は知多半島や伊良湖に向かう旅客船が行き来する港だった。その風景の復活を目指している。
伊勢湾フェリーに協力を依頼し、8月から社会実験をしてきた。特別運航は海上交通のターミナルとしてどのような機能が必要なのか▽旅客船や鉄道、車などの交通結節点としての利便性の評価▽運航に関する事業の可能性-などを調査する。
船は田原市と鳥羽市を結ぶ「伊勢丸」を使用した。バッグに収納した自転車は手荷物として船に持ち込める。
12日午後1時40分蒲郡発の便には市内外から計50人が乗船した。竹島ふ頭を出港すると、竹島や伊良湖、鳥羽市の神島などの景色を眺めたり、船内で食事したりしながら鳥羽港に向った。船内は2市の観光パンフレットを置いて、立ち寄れる観光名所を案内したほか、船員が航路を説明した。
鳥羽の街並みは海辺に建ち並ぶホテルや観光施設が、蒲郡の温泉街などに似ていて親しみを感じられた。あっという間に時間が過ぎ、鳥羽のフェリー乗り場に到着した。乗り場は土産コーナーなどが充実しており、買い物を楽しむ人もいた。
蒲郡市の和田裕紀子さんは「蒲郡から鳥羽に行けるのは最高だと思いました。今後もこのような機会があるなら使いたい」と話した。春日井市から来た仲野克麻さんと娘の陽香さんは「蒲郡駅から近くて利用しやすい」と述べた。
同4時10分鳥羽発の便には、鳥羽水族館などで観光を楽しみ、蒲郡に戻る親子ら計284人が乗船した。一日の思い出を話す人、甲板で夕日を楽しむ人でにぎわった。
親子で利用した蒲郡市形原町の女性(32)は「息子2人が鳥羽水族館やフェリー乗り場で喜ぶ姿が見られて良かった。何かあったら利用したい」と話した。
伊勢湾フェリーの宮脇幸次社長は「これからも、連携して蒲郡と鳥羽の観光振興に努めていきたい」と述べた。
蒲郡発の乗船チケットは竹島ふ頭で販売している。14日までの期間中、ふ頭では仮設ターミナルミニ実証実験「ハーバーマーケット」を開いている。
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愛知県蒲郡市生まれ。2020年、地元蒲郡が好きで東愛知新聞社に入社。同年から蒲郡担当、市政や地域行事、文化など全般を取材。ドローンを使って東三河の名所を空撮したルポ「大二朗記者の空からの訪問」を不定期連載。これまで、三河大島や三河国分尼寺跡、日出の石門などを空撮してきた。ドローン技術向上のため、国家資格「一等無人航空機操縦士」を24年に取得。読者の皆さんが楽しんでもらえる記事と記憶に残る写真を掲載できるよう、日々、頑張っていきます。
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