田原「ショッピングセンターレイ」が30日で閉店

2022/03/12 00:02(公開)
30日閉店のショッピングセンターレイ=田原市福江町で
 田原市福江町の商業施設「ショッピングセンターレイ」が30日で閉店する。建物の老朽化や、大型スーパーなどの新規開店による客足の落ち込み、テナント減が理由。地権者の「協同組合グランドショップアツミ」と渥美商工会、市による「福江市街地活性化委員会」が再整備を検討する。
 1971年8月オープン。当初のテナントは呉服店や化粧品店、書店などのほか、薬局やスポーツ用品店、喫茶店など22店舗だった。昭和末から平成初めが最盛期で、年間売り上げ約25億円、延べ来店者約160万人を記録した。
 一方、現在の地域人口は減少の一途。2005年の田原市と旧渥美町の合併から約3000人減った。テナントは独立や代表の高齢化による廃業などで11店舗に。周辺にはドラッグストアを兼ねる大型スーパーやホームセンターなどが5店ある。コンビニも多く、客が分散した。
 協同組合代表理事を務める渡会一昭さん(79)は「流通業界は大きく変わっている」としながらも「地域の人たちが集まれる場所、にぎわいの中心という役目は必要」と再整備を考えている。
 1970年、流通システム開発大手「NCR」主催の視察旅行で米国のショッピングセンターを見学した際の知見を生かし、旧渥美町商店街など地域事業者らとショッピングセンター立ち上げを企画。補助金もなく、金も土地も持ち寄って、手探りでのスタートだったと言う。高度経済成長期後半、皆がバイタリティーにあふれていた。
 当時としては、珍しい鉄筋コンクリート造の建物で最先端の「グランドショップ・アツミ」が誕生した。花の装飾品からとった愛称「レイ」やシンボルマークは公募で決まった。
 豊橋市にもショッピングセンターが無かった時代。成功例として全国に知られ、各地から事業者が見学に訪れた。主催の歌謡ショーなども。音楽バンド「ロス・インディオス&シルヴィア」公演は騒ぎになった。
 30日の閉店まで、オープン当時の写真や大売り出しチラシなどを展示中。「エリマキトカゲ」「スクーター」「テレビデオ」といった目玉商品の移り変わりなど、時の流行が分かる。
 50周年での閉幕を渡会さんは「大往生。なんとかすっきりした形で締めたい」と話した。
【岸侑輝】
70年代のオープン直後
写真や歴代のチラシの展示と渡会さん
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