プロ野球のドラフト会議が東京都内で24日に開かれる。上位指名が期待される豊川高の主砲、モイセエフ・ニキータ外野手(3年)は「今が一番成長できる時期なので、個人のレベルアップに集中している。不安よりも楽しみな気持ちが大きい」と話す。
愛知県出身だが、両親はロシア人。プロ入りを目標に練習を続けてきた。中学からのチームメートの林優大さん(同)は「高校1年の顔合わせで、他の子は『甲子園出場』などと目標を言っていたが、ニキータだけ『プロ入り』と言い切っていた。次元が違っていた」と振り返る。
高校1年春からベンチ入りし、昨秋の東海大会では主軸として4試合16打数10安打6打点の大活躍。「ニキータに回せ」とチームは一つになり、38年ぶりの明治神宮大会、10年ぶりの春のセンバツ出場に導いた。甲子園ではプロ注目の吉岡暖投手に3三振を喫したが、第4打席で甘く入った変化球を右翼ポール際に放り込んだ。新基準バットでの甲子園第1号に、観客席からどよめきが起きた。
今夏は、春夏連続出場を目標に県大会に臨んだが、5回戦でコールド負け。「まさかあそこで負けるとは思わなかった」とモイセエフ。だが、敗北から1週間後に再始動。「甲子園はもう目指せない。プロに向けて弱点を克服するだけ」とスイッチを入れ直した。
8月に青山学院大学の練習見学会で、プロ注目の西川史礁(4年)の打撃を見て、「打球の伸びがえぐい」と刺激を受けた。
打撃で見直したのは足の上げ方。10月初旬に打撃練習を見ていた長谷川監督から「足を上げるときに左の股関節に力をためると、下半身の力が上半身に伝わる。足上げたときに目線がぶれている」と指摘を受けたことがきっかけだ。モイセエフは「今は足の上げ方を意識して、どの球が来ても対応できるようになってきた」と手応えを口にする。
走攻守三拍子そろう柳田悠岐(ソフトバンク)が憧れの選手で、守備や走塁にも力を入れる。チューブを使ったトレーニングで走り方を変え、守備や走塁に生かせる瞬発力を鍛える。梅澤五郎コーチの指導の下、下半身と上半身の連動性を高めるため、体の後ろ側を鍛えるトレーニングや、守備では一塁、左翼、右翼の練習にも精力的に取り組んでいる。
入学時の66㌔から増量してきた体重は87㌔に。高校通算本塁打は18本。長谷川監督と一から身体づくりや打撃フォームと向き合ってきた。「ここまで成長できたのは監督のおかげ。プロで活躍する姿を見せて恩返ししたい」と吉報を待つ。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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