健康寿命を延ばすため、70歳以上を対象とした体力測定が豊橋市の多米校区市民館で開かれた。参加者はバランス感覚や筋力の測定など自身の身体能力が数値化される過程を楽しんだ。
多米校区の住民らで構成される「第一和来会」は、月一回、さまざまな催しをしている。今月12日、高齢者を対象にした訪問トレーニングをする企業「げんきクラブ」を招き、地元住民を対象にした身体測定会を開催、約30人が参加した。
げんきクラブの前田直哉代表は「自分の祖父の経験から、介護を受けないための体つくりがとても重要だと感じました。測定した数値を元にご自身の身体の状態を理解して、健康の向上に役立てていただきたいです」とあいさつした。
早速、筋力トレーナー3人が、片足で立った体勢を何秒維持できるかでバランス感覚を、落とされたお手玉を地面に落ちる前に何回つかむことができるかで瞬発力を、椅子に座った状態から何秒で5回立ち上がれるかを測定した。日ごろから運動を継続している人も多いせいか、参加者は初めての測定にもすぐに順応してトレーナーが驚く成果が続き、会場では笑い声があちこちから起きた。
参加した男性は「日頃から公園を散歩している成果ですね。何もしないとどんどん衰えていくのできょうの数値を参考にまた運動を楽しくしたいです」と笑顔で話した。女性は「一人ではなかなか疲れることはできないのでありがたい経験でした。体力が向上するなら続けたいです」と声を弾ませた。
前田代表は「良い成績を出そうと必死になっているのを見てうれしくなりました。高齢化社会は『幸齢化社会』。人生の質を高めるためのあらゆるお手伝いをしていきたいです」と話した。
国民の平均年齢が上がり続けている。昨年は49歳で、半世紀前は29歳。この50年間で20歳平均年齢が上昇している。ちなみに世界平均は30歳。この急激な高齢化に合わせて急速に増え続けているのが、社会保障費だ。昨年度は137兆円にのぼった。医療や薬剤に頼らない、そして介護を受けない健康な体を維持することこそがこの天文学的な社会保障費を抑制する大きな一手だ。そのためにも介護を受けない心と身体づくりは、今後注目されるべき分野だ。
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鎌倉市出身の45歳で四人の子育て真っ最中。NHK記者として11年仕事をしてきた。その後、豊橋に住んで今年で10年目。東三河地域でいまだ日の目を見ぬ素晴らしい取り組みをしている企業に東愛知新聞で光を当てることができるよう取材している。趣味はサッカーと筋トレ。
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