谷口さんと蔭山さん、思いひとしお
東三河を舞台に映画作りに取り組む俳優兼プロデューサーの谷口由里子さんと蔭山ひろみさんが主演、プロデュースした初の短編作品「ひと駅、歩く」の豊橋上映会が25日、豊橋市松葉町3の「こども未来館ここにこ」であった。趣向を変えた3部制。第2部は脚本を手掛けた星川達朗さんとトークショーで制作の裏話などを紹介した。4月には短編第2弾の制作も始まる。
作品は谷口さんと蔭山さんが昨年9月から始めた「映画ができるまで、」プロジェクトの初作品。エキストラやロケハン、制作費のクラウドファンディングなどで地元や映画ファンらの協力して完成した。
作品は飲食店でアルバイトする2人の女子大生を描いた物語。トークでは作品誕生の経緯からロケ地でのハプニングなどを披露した。
星川さんは「食べ物をテーマにした映画祭に出品予定だった」などと紹介した。豊橋来訪はこの日が初めてといい「まずはご当地のおいしいグルメや鉄道路線などをとことん調べた」と振り返った。
そのうえで「実は自宅は路面電車の沿線。終電で最寄り駅のひと駅前での下車もよくある。酔って歩いているうちに切なく涙が出そうになることもあった」と作品名に至った背景を語った。
主要場面のひと駅歩くシーンは、豊橋鉄道渥美線の高師駅と芦原駅の区間で撮ったという。2人は「ラストシーンの撮影中に打ち上げ花火が突然上がった。ハプニングはつきものですが、終電間際だったので出演者が無事に帰れるか気をもみました」と懐かしんだ。
2人のプロジェクトについて「地域の皆さんと映画作りを一緒に楽しんでほしい」と趣旨を説明した。昨夏に東京から移住した谷口さんは「次回作への期待の声などをいただき、個人的な思いだけではない雰囲気を感じる」と語った。蔭山さんも「応援してもらうたびに背筋が伸びる思い」と感謝した。
【加藤広宣】