豊橋市のタクシー「東海交通」は、運転手が外出や買い物に付き添う東三河地方初のサービス「そいタク」を7日から始める。青木良浩社長らが5日、東愛知新聞社を訪れ、内容を説明した。
「移動の手段が限られている免許返納者や独り暮らしの高齢者の外出をサポートしたい」という思いで誕生した。中部運輸局から「救援事業」として認可を受けた。
200台のタクシーを運用する同社には以前から「1人での買い物は不安だから一緒についてきてほしい」という高齢者の声が届いていた。荷物が重く充分な買い物ができない、買い物に手間取るなどの理由で1人での外出を不安がる人が多いという。
家族や近所の人に送迎を頼むのは「寄り道できない」「足腰が悪く迷惑をかける」「行きたい時に出掛けられない」などからを気兼ねしてしまう。それが外出の抑制につながり、ストレスの原因になる。
「そいタク」は、目的地に着いてから乗務員が付き添う。安心していろいろな場所へ行き、買い物や用事を済ませられる。荷物を玄関先まで運ぶサービスもあるため、多めの買い物もストレスなくできる。2人で行動するため、けが防止や防犯にもつながる。
ポイントは、目的地に着くとメーターが止まる点。その後のサービスは定額で30分2500円、以降10分ごと550円(税込み)となる。駐車場代などは別にかかる。
乗務員は事前研修している。店の協力で、乗務員の家族に客の役をしてもらい、買い物に寄り添う研修をした。その様子を動画で撮影し、乗務員に共有している。
青木社長は「運賃が高いイメージがあり、タクシー利用を敬遠する高齢者もいる。料金が明瞭になった『そいタク』でより手軽にタクシーを使ってほしい」と話す。
電話で「付き添いサービス」と伝えれば誰でも利用できる。受け付けは午前10時~午後5時。問い合わせは東海交通(0532・57・1111)へ。
【北川壱暉】