東三河から3社の建築物・製品優秀賞
第6回(2022年度)「あいち木づかい表彰」の受賞者が発表された。東三河からは豊橋市下地町の「望月工務店」が建築物の部の優秀賞(森林協会長賞)に、同市菰口町3の「木軸ペン工房KIKI(平川木材)」が製品等の部の優秀賞(県森林協会長賞)に、新城市矢部の「杉生」が優秀賞(県産材認証機構会長賞)に選ばれた。
「あいち認証材」を積極的に利用し、木のよさを実感でき、PR効果の高い建築物や製品などを県が表彰する2017年度から続く事業。今回は昨年9月1日から10月末まで募集。建築物の部7件、製品等の部6件の応募があった。
望月工務店は豊川市平尾町で復元を手掛けた「星野神社覆殿」の設計(望月建築設計室)と施工。「全木材を、伐採から製材、乾燥まで地域の業者が担当し、地産地消に貢献した。建設時は、若手大工、学生らの現場研修としても活用し、金物に頼らない組み上げ方などの伝統的構法の継承を図った」と評価されている。
木軸ペン工房KIKIの製品は「CHIGIRI杉、CHIGIRI檜(ひのき)」は木材を使用したペンとペントレー。手触りや香りを味わえるよう無塗装で仕上げられている点がポイント。
杉生は「柾(まさ)テーブル」。幹の太いスギの大径木(たいけいぼく=主に切るタイミングを逸した立木)が多い奥三河地域で、大径木を活用する方法として生み出された柾目(まさめ=木目がほぼ平行なもの)に特化したテーブル。木の芯に近い部分(赤身)と外側の部分(白太、しらた)の異なる自然の色の違いを生かした美しいデザインが評価された。
最優秀賞(知事賞)は建築物の部が名古屋市中村区の「ささしま高架下オフィス」(受賞者=名古屋ステーション開発、設計者=マル・アーキテクチャ、施工者=シーエヌ建設)。製品等の部がヒノキやスギの格子をデザインに取り入れたパーテーションシステム「Join」(受賞者=西垣林業)だった。そのほか、両部門を通した特別賞として、建築物の部の「アーティストリー応接室」(春日井市)が選ばれた。
(後藤康之)