東栄町の元町議伊藤久代さん(76)が、年配者から聞いた伝承や体験談をまとめ、「話のゆりかご」を自費出版した。B5判127㌻。
10人から聞いた14話を載せた。約40年前に学校の保護者仲間で町内のお年寄りや、旅行先の台湾で聞いた話を記録していた。20年前からワープロで打ち込み、データをパソコンに移し替えた。町議を引退した4年前から本格的に編集に取り組み、自ら挿絵も描いた。
印象に残るのは、振草にあった柿の木を題材にした「信濃たと石」だ。長篠の戦い(1575年)に参戦し、残党狩りから逃れた南信州高遠出身の男が地元住民に助けられた。男は東栄で結婚し、妻には古里の渋柿「立石」を紹介する約束をした。戦いで亡くなった同郷の仲間の親を訪ね、柿の木を持って半年後に戻った。その木は5年前に伐採されたという。
保護者仲間で紙芝居にした2話も掲載した。「文を練るのはスムーズでしたが、挿絵の制作に1年かかってしまった」と振り返る。スケッチブックは3冊分にもなった。200部印刷し、希望者に配る。問い合わせは伊藤さん(0536・76・1270)へ。
【安藤聡】