豊橋市は、生態系などに悪影響を及ぼす「特定外来生物」の駆除を今年度から本格化する。昨年の外来生物法改正に伴い、国に代わって自治体が駆除活動できるようになったためだ。市は農作物にも被害を与えるヌートリアなど水辺の小動物にも対象を広げるほか、予防のための周知活動にも取り組む。
田畑の農作物被害を及ぼす有害鳥獣は中核市などでも捕獲できたが、生態系維持のための駆除は国が主体だった。法改正に伴い、外来生物の駆除活動の主体が自治体にも広がり、国への確認手続きもなくなるなど素早い対応が可能になる。
市は今年度から駆除対象にアルゼンチンアリとアカミミガメのほか、在来生物を阻害するヌートリアやミズヒマワリ、人家へ侵入するアライグマを加えた。
なかでもヌートリアは市内各地で年間約100件の被害などが報告されている。北部の石巻や南東部の表浜エリア、神野新田町など広範で収穫前の稲や野菜、果物などが被害に遭っていた。
市によると水路などに沿って移動し、生息域をさらに広げている。市内中心部を流れる朝倉川など住宅地に近い河川でも見つかっている。魚や貝などの水生生物や水辺の植物などを食べ、周辺の生態系にも悪影響を及ぼしている。
駆除は有識者らでつくる市の「生態系ネットワーク懇話会」で専門家らの助言を求め、国の補助金が採択されれば生息域で箱型のわなを使った捕獲と駆除を進める。
市環境保全課では「ヌートリアは寄せられた情報から生息エリアを特定済み。生息数は増える傾向にあるので食い止めたい」などと対応への構えを見せる。
【加藤広宣】