専門的な知見や技術により、大学の研究開発に貢献したとして、豊橋技術科学大学の飛沢健高度専門員が、今年度の文部科学大臣表彰「研究支援賞」を受賞した。半導体製造に関する高度な知識を持ち、研究と教育をつなぐ貴重な人材として存在感を示した。
豊橋技科大出身の飛沢さんは、半導体構造研究で博士号を持つ。大手電機メーカーで半導体製造にも携わり、理論も技術もわかる貴重な人材。大学では研究支援課の職員として、研究者らの求めに応じて施策を支援したり、学生らの教育の一部も担ったりする。
学内には半導体の設計や製作、評価までを一貫してできるLSI(大規模集積回路)の製造施設がある。製造工程では洗浄や薄膜成膜、微細加工や組み立てといった幅広い要素技術に対する知見が求められる。
半導体製作の設備機器の管理から、これら要素技術の最適な組み合わせといった研究者のアイデアを具体化するためのオーダーメイド支援を手掛けている。
ある研究者からは、センサー技術への応用に光の波長を分離する製作技術について相談を受けたという。半導体の成膜・熱処理の工程で、表面の凹凸をなくす加工を施せば、光の特性が改善される点に着目。製作条件や製造工程の見直しを提案した結果、2種類の光の波長を分離する能力が100倍改善された。
また、LSI製造施設では半導体製造を研究する学生らへの実習なども担う。最近では社会人向けの「リカレント」(学び直し)や、高専学生向けの体験実習、近隣大学や研究所の技術職員向け研修も手掛けた。
飛沢さんは「半導体製造では縦割りや高度専門化が進む。研究者の高度な研究を支援しつつ、失われた国内の半導体人材育成にも貢献したい」と述べた。
【加藤広宣】
学内の半導体製作施設では学生らへの教育も担う(提供)