豊橋の中学生6人 土砂運びのボランティア

2023/06/05 00:01(公開)
泥まみれで土砂運びをした6人=豊橋市多米町で(提供)
 2日の記録的豪雨により、東三河の各地で崖崩れなどの被害が出た。豊橋市多米町滝ノ谷の寺岡知加子さん方では、高いところにある隣家の土地からのり面が崩れ、土砂が敷地に入ってきた。それを近所の中学生6人が、泥まみれになって運び出してくれた。東愛知新聞社に情報を寄せた寺岡さんは、子どもたちのボランティア精神に「涙が出るほどうれしかった」と話している。
 それによると、のり面が崩れたのは2日午後3時半頃とみられる。自治会長が目撃したが、寺岡さん夫妻は不在。同じ敷地内に住む義父母は雷や激しい雨の音で気づかなかったという。隣家も不在だった。帰宅した頃は暗くなっており、寺岡さんは危険を感じて自主避難し、車中泊した。義父母も親類宅で一夜を過ごしたという。
 明るくなって確認すると、被害の全容が明らかになった。崩れたのは高さ3㍍、幅10㍍。上部のフェンスやコンクリートブロックなどとともに大量の土砂が隣家との間にある道路を埋めた。寺岡さんの敷地にも赤土が流れ込んだ。
 途方に暮れていたところ、中学生が赤土の運び出しの手伝いを名乗り出た。伊藤陽生さん、安藤蒼さん、杉田琥珀さん、伊藤煌生さん、岩月眞汰さん、鈴木翔空さんの6人。近所の子どもたちだが、面識があったわけではない。
 伊藤さんらはスコップで土をすくい、プラスチック製の手箕(てみ)に入れ、一輪車で運び出した。3日午後3時半から約2時間、6人は汗まみれで作業した。翌日は剣道の大会があると言いながら続け、泥だらけになった。「せめて飲み物でも」と言ったが断ったという。
 寺岡さんは「蚊も多い中で、一生懸命に作業してくれた。こういう中学生がいることを皆さんに知ってもらいたかった」と話している。
【山田一晶】
コンクリートブロックや土が道路を埋めた(同)
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