戦争末期の暮らし紹介

2023/08/03 00:01(公開)
勤労動員者の関連資料を集めた展示場=豊橋市中央図書館で
中央図書館で「平和を求めて とよはし」展

 太平洋戦争末期の一般市民らの暮らしを資料で紹介する「平和を求めて とよはし」展が、豊橋市中央図書館で27日まで開かれている。5~6日は館内特設会場で「子どものための平和の集い」がある。当時の勤労動員者の体験談を紹介する。
 戦争の激化と長期化で資源に乏しい日本は総動員体制が敷かれ、国民生活は軍需優先で厳しく統制された。企画展は、当時の公文書や新聞など実物資料と関連図書など約200点を展示する。市美術博物館が所蔵する「多米区有文書」からは、当時の市役所が町内会向けに出した公文書もあり、食糧配給などの事情が分かる。
 戦費調達を目的に半強制的な募金や貯金活動などを奨励するなど、国民生活が徐々に戦禍へ巻き込まれていく様子を伝えている。
 勤労動員にまつわる関連資料なども紹介。市内在住の近藤せつさんは豊橋高等家政女学校(私立藤ノ花女子高校)を卒業後に「女子挺身隊」の一員として豊川海軍工廠(こうしょう)へ動員された。1945年6月の豊橋空襲、8月の豊川海軍工廠への爆撃など、せつさんが見聞きした記憶を資料とともに紹介している。1万2500人の死傷者が出た海軍工廠の爆撃では、せつさんは工廠北側の疎開工場(現千両町)にいて難を逃れたという。
 資料収集などを担当した職員は「敗色濃厚な情勢でも勇ましい見出しが躍る当時の新聞紙面を見て苦しかった」などと語った。
 子ども向けの集いは3階学習室で5日午前10時から、読み聞かせなどの交流会。6日午後2時から、第2学習室でせつさんを迎えて体験談を聞く会。先着50人。問い合わせは中央図書館(0532・31・3131)へ。
【加藤広宣】
空襲時のまちの様子を収めた報告資料
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