秘書に代わり対話型ロボで接客へ

2023/12/18 00:01(公開)
秘書から案内の指令を受けるサポートロボ「くるみ」の試作版=豊橋技科大で
豊橋技科大など実証実験開始

 対話や移動を伴うサービスが可能なロボット開発を目指す豊橋技術科学大学などの研究グループは、学長秘書サポート機の試作版による実証実験を始めた。AI(人工知能)の音声認識などを生かし、対話を元に来訪者を誘導するのが役割。できる機能を追加して接客能力の向上を目指す。
 ロボットやAIの技術進展を背景に、人手不足による接客サービスの低下や長時間労働の対策に生かす。
 研究グループでは豊橋技科大の三浦純教授(情報・知能工学系)がAI音声認識の技術などを提供。同大特任教授で追手門学院大学の井佐原均教授(言語情報学)が対人コミュニケーションで、新東工業がロボット製造技術で参加した。「知の拠点あいち重点研究プロジェクト」での研究を終え、今年から普及へ向けた実証段階に入った。
 実証実験では、対話や移動機能を備えたロボット「くるみ」の試作版を完成。学長秘書のサポート役として来客の案内などを代行する。
 ロボット頭部からAI音声認識装置で来訪客と対話する。秘書から「くるみちゃん、お客様を案内して」と指令を受けると来訪客を目的地まで案内する。本体のセンサーで目的地までの道のりや来客との位置関係なども保ち、適度な距離感で自動的に誘導する。
 作業ロボットのような決まった動きのほか、AIロボの対話機能も併せ持つことから、幅広い用途が期待される。三浦教授は「実証実験でお茶出しの動作も加えたい。今後は付き添いや重量物の運搬、福祉施設などでの話し相手など、幅広い応用も期待できる」と展望を示した。
【加藤広宣】
目的地への案内では来訪者との的確な距離感も保つ
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