鈴木さん撮影の手筒写真がM-1ポスターに

2023/12/24 00:02(公開)
番組ポスター
複雑な胸中にも変化「やってよかった」

 テレビ朝日系列で、日本一の漫才師を決める「M-1グランプリ2023」が24日に放送される。そのメインポスターに、豊橋市の手筒花火が使われている。撮影したのは、同市中原町の美容室「リトラッテ」でスタイリストを務めながら、写真家として活躍する鈴木秀総さん(52)。その経緯や思いを聞いた。

カメラの魅力にはまり、仏で金賞も

 浜松市出身。鈴木さんが写真に目覚めたのは2013年。社員旅行をするからと買ったカメラの登録をしたときに、偶然見つけた「オリンパスフォトコンテスト」に応募し、金賞を受賞したのが始まりだった。そこから想像を形にできる写真の面白さにはまった。16年にはフランスの伝統ある美術団体に招待展示され、国民美術協会の金賞に輝いた。 
 手筒花火の写真はその1年後の17年7月、吉田神社で撮影したうちの1枚。日本の良さを海外にPRしたいとの思いで撮った。最後に火花を散らして手筒の底が破裂する「はね」の瞬間の男たちの表情をとらえることに、集中した。喜びや高揚感、恐怖心など、それぞれが感じている思いを想像し、「ドラマ」を形にした。
 それから6年後の今年9月、この1枚を知った番組スタッフから、広告代理店を通じて「番組用のポスターに使わせてほしい」とメールが届いた。「爆発の瞬間の火柱、一瞬の造形、迫力と勢い、降り注ぐ火の粉の中で立つ姿が、舞台に立つ漫才師のようで、今回のコンセプトを表現するのにふさわしい写真だと思った」と高評価だったという。
 鈴木さんは「初めは断るつもりだった。撮影したときの思いが正しく伝わらない編集をされるのが嫌だった」と明かした。だが、妻訓子さんから「やってみなよ」と後押しされ「手筒花火が全国の人に伝わる機会になるのなら」と承諾した。
 ポスターを見たとき、「複雑な気持ちだった」という。笑いの神が舞い降りる「爆笑の爆発」の瞬間がいきいきと表現されていたが、鈴木さんが撮った男たちの表情がカットされていた。だが、ポスターとして世に出たとき、その感情は少しずつ変化していった。「ずっと自分の生き方に寄り添ってくれた妻や、常連客が喜んでくれたり、SNSで手筒花火に注目する人が増えたり、周りの反応を見て初めてやってよかったと感じた」と笑顔をみせた。
 放映はテレビ朝日系で24日午後2時55分から敗者復活戦、午後6時半から決勝。過去最多の8540組が出場する。
【北川壱暉】
スタイリスト兼写真家の鈴木さん
オリジナルの写真
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