豊川市には約30カ所の葬儀場がある。人口約18万人で6000人に1カ所。関係者によれば全国有数の多さという。
市は元々、東海典礼、JAひまわり、イズモ葬祭などの葬儀会社があった。近年は、西三河が拠点の「家族葬の結家」や、浜松が拠点の「家族葬のトアーズ」がドミナント戦略(チェーンが地域を絞って集中的に出店する経営戦略)で数を増やしている。
さまざまな要因がある。新型コロナウイルス禍もあって、近年は葬儀を縮小したり、火葬だけですませる「直葬」が増えた。だが同市では直葬ではなく、故人のために家族葬を選ぶ人が多く、葬儀場の利用ニーズが高い。
また同市は人口増政策に力を注ぎ、将来性がある地域とみられていることもある。昨春はイオンモール豊川がオープンしたほか、今後も工場用地の造成に力を入れる。各社は「人口が増えないまでも、減少が緩やかなら出店してもやっていける」と判断したようだ。西三河や遠州に比べ土地が比較的安く、出店コストが抑えられることも大きいとみる関係者もいる。
近年、東三河はエリア外から、さらに注目されている。豊川市には東三河以外に拠点がある小売店、飲食店などの出店が続いており、「葬儀場もその流れの一つ」とする人もいる。
既存葬儀場の一つは「葬儀の数は限られている。ホールが増えており影響がある」との声が。一方で「今でも過当競争の感がある。これ以上は増えないのではないか」と話す葬儀場もあった。
【竹下貴信】