豊川で県が1台のシステムで複数機操作
県は7日、人口集中地区(DID地区)で1台の運航システムを使い複数機のドローンを操作する実証実験を豊川市で行った。DID地区で1台のシステムによる複数機の操作は全国初という。
2022年12月から、住宅地などの有人地域で、補助者なしの目視外飛行「レベル4」が解禁となり、ドローンによる物品の搬送が注目されている。
今回の実証実験では、KDDIスマートドローンが開発したシステムを使い、2台のドローンを飛ばした。アクアクリーン佐奈川から、1台は450㍍離れたサーラ物流まで、もう1台は900㍍離れた藤澤フラウエンクリニクまで医薬品などを運んだ。
担当者がスタートボタンを押すと、ドローンが自動で上空に上がり、目的地まで移動して着陸した。DID地区の飛行だったが、今回は万が一に備えて住宅の上は飛ばさず、佐奈川の上空を移動させた。
ドローンは今後、物流分野でトラックの代替として期待されているが、コストが課題になっている。そこで1台のシステムで複数機を操作すれば、人件費が削減でき実用化のめどが立ってくるという。
県産業振興課の福井康平さん(29)は「問題なく医薬品を運ぶことができ、実験は成功でした。今後は1台のシステムで、20台を一度に操作できることを目指していきます」と話した。
県は物流分野でのドローンの実用化に向けて、名古屋鉄道、機体開発の「プロドローン」、飛行制御システムの「KDDIスマートドローン」などと協力して実証実験を重ねている。
【竹下貴信】