種麹の研究開発や製造販売業「ビオック」（豊橋市牟呂町）は、食関連事業を展開する「ＡＢＣスタイル」（東京都千代田区）と協働で、麹製品や知識の普及拡大などを狙いに「麹検定」を創設した。新メニューやレシピ開発も手掛け、受検者らへの波及も見込む。５月に第１回検定を開く。
　ビオックが持つ種麹や醸造、発酵食品への知見と技術をもとに業態転換を図る。ＡＢＣスタイルの持つ食の専門知識や料理教室のネットワークを普及拡大に生かしたい考え。
　麹検定は段階ごとに１～３級を設ける。３級は生活者向けの内容。２級は食品業界向けにキャリアアップに役立つ知識を学ぶ。１級は料理研究家などプロ向けとした。試験は「ＴＯＥＩＣ」などと同じコンピューター方式（ＣＢＴ）。
　第１回の募集は３級のみで、出願は４月15日～５月19日。５月11～24日に各地のテストセンターで受検する。検定料６６００円、合格後の認定登録料３３００円。合格者には検定ロゴピンバッジ、麹セミナー参加権のほか、糀屋三左衛門のオンラインストア割引クーポンが与えられる。
　関連事業では公式テキストのダウンロード販売を始める。将来は書店販売も検討する。ほか、新たな麹レシピの開発や提案も手掛け、検定サイト＝ＱＲコード＝やＳＮＳでレッスン動画などを配信する。一連の事業は国の事業再構築補助金を活用した。
　ビオックの村井裕一郎社長は「近年の麹や発酵食ブームで消費者の関心が高まる一方、科学的根拠の乏しい情報も氾濫している。両社の知見で正しい知識の普及と消費拡大につなげたい」と説明する。
【加藤広宣】