東三河懇話会「東三河地域における若者の雇用・定着」リポート

2024/05/19 00:00(公開)
若者の雇用と定着(AIで生成)
 東三河懇話会の「産学官による新しいネットワークづくりのワーキンググループ」は17日、「東三河地域における若者の雇用・定着」についてのリポートを発表した。
 東三河地域の主要自治体と公共性の高い企業から集まった若手メンバー(20~40代)が、地域の将来を見据えた課題や問題点を議論し、実際のフィールドリサーチやアンケート調査を通じてまとめた。
 調査は2022年11月から24年3月にかけて12回の会議を経て実施。「人口問題」が最大の課題として挙げられた。その解決策として「外国人との共生」「ジェンダー平等による全ての人の活躍」「若者の地域における雇用促進・定着」の3テーマを選び、協議の結果「若者の雇用促進・定着」に研究対象を絞った。
 調査では、地域の高校生や大学生の就職状況を分析、専門性を重視する職業選択や地元企業への就職希望を明らかにした。一方で、地域企業に対する理解が不十分であることが指摘され、情報提供の重要性が強調された。学生が地域の企業を知る機会を増やし、地元企業への就職意欲を高めることが求められる。
 企業側には、新卒採用だけでなく中途採用の拡充や、従業員の賃金と福利厚生の改善が求められているとした。企業は若者の採用を重要視し、早期退職を回避するための対策や取り組みが必要だと指摘した。また、賃金や手当の改善、福利厚生の充実などの待遇改善も不可欠としている。
 行政の視点からは、他地域の先行事例を参考に、地域特有の産業構造や労働市場の特性を考慮した労働政策が必要とした。具体的には、起業支援や一次産業への就業支援を挙げている。若者が地域で働き続けるためには、地域全体での支援が求められるという。
 地元企業を知る機会を増やすための「オープンカンパニー」の開催を推奨した。学生のキャリア形成を支援すると同時に、地域企業の理解を深める機会。これにより、学生が地域での就職を希望するようになることが期待される。企業の担当者が直接学生や親と対話し、企業の魅力や働く環境について詳しく説明する。また、インターンシップや職場見学の機会も提供し、学生が実際に働く現場を体験できるようにする。学生は地域企業への理解を深め、自身のキャリアを具体的にイメージできる。
 若者の定着を図るためには、企業が若者の採用を重視し、早期退職を回避する対策や取り組みが不可欠だと指摘した。若者が働きやすい環境を整備し、キャリアパスの明確化やメンター制度の導入などを挙げた。企業は従業員の賃金や手当の改善、福利厚生の充実など、待遇改善にも力を入れる必要があるとしている。
 他地域の事例を踏まえ、行政・学校・企業の産学官連携が重要となる。教育機関と企業が連携し、カリキュラムの見直しや職業教育の充実を図ることを挙げた。また、行政が地域の特性に合わせた労働政策を推進し、若者が地域で働き続けるための環境整備を求めた。
 若者が地域で生活し、働く「ライフキャリア」を支援するための具体的な提案が盛り込まれ、地域社会の持続可能な発展に寄与することが期待される。リポートは「東三河地域の未来を担う若者たちが、地域に定着し、活躍するための支援策が今後も継続的に検討・実施されることが重要だ。産学官の連携を強化し、地域全体で若者を支える体制を構築することで、地域の発展と若者の成長の両立が期待される」と結んだ。
 リポート全文は東三河懇話会のサイト=QRコード=から。
【山田一晶】
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