「第106回全国高校野球選手権大会」が28日開幕した。試合は29日に始まる。例年通り「私学4強」がリードするのか。それとも東三河勢が意地を見せるのか。東三河の豊川、豊橋中央、豊橋商業の注目選手を紹介する。
シード校の豊川は昨秋の東海大会を制し、今春のセンバツに出場したが初戦で阿南光に4対11で敗北。課題の投手陣は、中西や平野、林優大らが力を付けてきた。
一方、打の注目はつなぎの4番の中村。東海大会準決勝の宇治山田商戦では、センバツ出場を手繰り寄せるサヨナラ打を放ったが、その後は調子を落とした。春の県大会では、背番号3をライバルの三浦に譲った。「打たないといけないというプレッシャーで力が入っていた。負けてられないという気持ちになった」と振り返る。
日々のシート打撃やトス打撃で脱力姿勢から打つ瞬間の身に力を入れる練習を繰り返した。「自分の形でだんだんと打てるようになってきた」と手応えを口にする。長谷川裕記監督は「モイセエフがマークされるので、その後を打つ中村の働きは重要」と期待も高い。中村は「相手の勢いに飲み込まれないように、打席に立ち攻めていきたい」と意気込んだ。
豊橋中央は、30日の初戦で時習館と対戦する。エース前島を筆頭に、最速147㌔右腕の内山、同144㌔の小栗ら、相手打線によって使い分ける。萩本将光監督は「力のある投手がそろってきた」と自信をのぞかせる。
内山は昨秋の県大会で146㌔を出し「プロ注目の右腕」と称された。萩本監督は「体つきや球の質など、まだまだ伸びしろ十分」と期待する。内山は6月にあった報徳戦(兵庫)との交流試合では七回から登板して負け投手になった。「悔いが残った。制球力など本番までに課題をつぶしていきたい」と話した。
豊橋商業は、7月7日に名古屋国際と戦う。投打の軸は北添兼矢主将。130㌔後半の直球と切れのあるスライダーが武器で、主軸としてチーム屈指の長打力を誇る。今春に入って「好機で追い込まれることが増えた」と話す。狙い球や甘い球を一発で仕留められるように練習を重ねてきた。初戦まで試合間隔が空くが「守りからリズムをつくる野球ができるように準備していきたい」と意気込んだ。
【北川壱暉】