「木工きらく会」が18年の歴史に幕

2024/07/10 00:00(公開)
木工きらく会のシンボル「竹ドーム」があるイベント会場(鈴木さん提供)
会員高齢化やコロナに伴う活動停滞影響

 豊川市の県立東三河高等技術専門校修了生でつくる同好会「木工きらく会」(小林弘幸会長)が6月30日、豊橋市内で開いた解散総会で18年間の活動に幕を下ろした。地域のイベント会場で販売する格安の手作り木工品が人気だった。会員の高齢化や新型コロナウイルス禍に伴う活動の停滞、専門校再編で会員増の見通しが立たなくなり決断したという。
 半年間の短期課程「木材工芸科」に学んだ修了生らが、技能の継承と親睦などを目的に2006年4月に立ち上げた。企業や団体を定年退職した団塊世代を中心に46人で発足した会は最盛期には120人まで増えた。
 発足前年の「愛・地球博」(愛知万博)で展示され、会場で作り方を教わったモニュメント「竹ドーム」がシンボル。住宅展示場や地域のイベント会場に店舗を兼ねた竹ドームを出展し、そこで販売する木製玩具や雑貨を求めて大勢の来場客でにぎわったという。
 発足に携わり、長年役員を務めた元会社員の鈴木裕さん(77)=田原市加治町=は「専門校で学んだ技術の継承、工作好きの仲間が集うユニークな木工集団になった」と振り返った。
 2020年に始まったコロナ禍を機に集客イベントは自粛され、会の活動も滞りがちになった。13年には専門校で木材工芸科が建築総合科に統合、さらに来年度からの専門校再編で、旧「木工科」の流れをくむ修了生の新規入会の見通しも立たないことから総会で解散を決議した。残った会の活動資金は能登半島地震の被災地へ義援金として送った。
 活動の延長線上で、孫世代へ木製玩具を提供する「まごまごネット」も発足した。そこでは、ものづくりをしたい若者も集まりつつある。
 「競っていいものを作り続け、多くの愛用者に支持された。組織は残したかったが時代の波には逆らえない。今後は会員個人が新たな舞台で活躍してほしい」と願う。
【加藤広宣】
鈴木さんの工房に残る仲間と作った木製玩具=田原市加治町で
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