静岡県湖西市は2025年1月から、豊橋技術科学大学や同大学発のベンチャー企業「豊橋バイオマスソリューションズ」(豊橋市)と連携し、バイオガスの生成やバイオ液肥の製造技術を検証する実証実験に乗り出す。同年2月28日までの期間、下水道の汚泥やし尿、浄化槽汚泥に加え、市内で盛んな養豚業で排出される豚のふんなどを活用し、小規模な自治体でも導入可能なシステムの構築を目指す。
バイオガスやバイオ液肥は生物由来の資源(バイオマス)を原料に微生物を利用して発酵させて生み出す。今回の連携は24年4月に締結した基本合意を踏まえて実施、国土交通省の下水道応用研究委託費(約3000万円)を活用する。湖西浄化センターの敷地の一部に整備していたプラントが完成、汚泥の水分を抜いた「脱水ケーキ」などを使った試運転でバイオガスの生成や残留物となる液の抽出を確認したという。
市内での下水道の普及率が4割程度であることから、実証実験では浄化槽汚泥や養豚農家から排出される豚のふんも原料として使う。豊橋バイオマスソリューションズが中心になって開発した特許技術「アンモニア除去・回収システム」などを活用しバイオガスを効率よく生み出す技術を検証、生成したバイオガスを加温の際に燃料として充てる計画もあるという。
併せて、ガスを生成する際に排出される液に肥料の成分となる窒素やリンなども多く含まれていることに着目し、露地栽培を中心に畑などで利用できるバイオ液肥の製造技術も確かめる。
湖西市は豚の飼養頭数が静岡県内で最も多く、臭気対策が長年の課題になっているという。田内浩之市長は「研究はこれからだが、成功すれば市内の養豚農家から出る豚のふんをバイオマス発酵させる取り組みを進めることができる」と期待を込める。豊橋技科大客員准教授で、豊橋バイオマスソリューションズの熱田洋一社長は「小規模な下水処理場でもできる技術を開発し、地域で利用されていないバイオマスを受け入れる資源循環の拠点になってほしい」と話している。
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