今年の殿堂入りのプレーヤー表彰が16日発表され、愛知大学野球部出身で中日ドラゴンズ元投手の岩瀬仁紀さん(50)がオリックス、マリナーズで活躍したイチローさん(51)とともに選ばれた。大学、社会人時代でチームメートだった八田剛さん(52)、社会人時代に投手コーチを務めた森昌彦さん(59)が快挙を喜んだ。
西尾東から愛知大、NTT東海を経て98年ドラフト2位で中日に入団。中継ぎ、抑え投手となり、最優秀中継ぎに3回、最多セーブに5回輝いた。通算1002登板、通算407セーブは日本歴代1位の記録だ。岩瀬さんは「うれしいと同時に本当にいいのかなという気持ち。改めて僕は本当に人に支えられてここまで来たと感じた」と語った。
愛知大時代までベストナイン4度の外野手。チーム事情で3年秋から兼務はしたが、投手は「素人同然だった」。4年秋の最後の試合でリーグ最多安打にあと1に迫ったが、打席が回ってこず、「縁がなかった」と投手転向を決意した。
NTT東海を選んだのは唯一投手で誘ってくれたから。岩瀬さんは「森投手コーチらに練習の厳しさと投手の基礎を教えてもらった」と振り返る。最初に岩瀬さんを見たのは1年目の最初。「野手だったと聞いていたが、直球に力があって左で140㌔が投げられる。プロは分からないけど、楽しみな投手だと感じていた」。その後、故障で思うように投げられない時期が続いたが、走り込みや筋力トレーニングを続けた。
代名詞となる高速スライダーを習得したのもこの頃。伝授したのは森さんだった。小さく曲がる直球を生かすために、森さんが現役時代に投げていたカットボールの握りをやって見せた。「曲げようとせずに握りを斜めにずらすだけで」と教えると、2年目は唯一無二の決め球となった。「ほとんど打たれた記憶がないね」と森さんは笑う。
2年目の春から球速や球の切れがアップ。3年上の先輩で投手だった八田さんは「いつの間にこんな投手に」と驚いたという。岡山大会予選で強力打線の三菱自動車川崎を8回無失点に抑え、アマチュア日本代表にも選ばれるほどの注目投手になった。
中日入団後はリリーフ投手として、プロ野球史に残る活躍を見せた。八田さんは「大学時代は我流の投球フォームで、ブルペンで投げてすぐに疲れたと言っていたのに、大学からの夢を叶えてここまでの大投手になった。良い意味でも岩瀬は鈍感なところが良かったのかな。愛知大の誇り」と目を細めた。森さんは「1年目は打たれてへこんでよく電話かけてきたな。自分が打たれたらチームが負ける抑えのポジションで、メンタルは相当きつかったと思う。すごいの一言。またご飯に行こう」とねぎらった。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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