昨春発足した豊橋市の「広小路3丁目通り振興組合」は、会報誌「ひろこうじ」を創刊した。周辺が商業集積地から居住地に変化しつつある街の様子をまとめた。理事長の高津由久さん(56)は「まずは自分たちの街のことを知ってほしい」と呼び掛ける。
広小路通りは、1932年に豊橋初の「丸物百貨店」が開業し、72年には流通最大手の「ダイエー」が進出するなど、商業の集積地となっていた。98年にはダイエーが、2003年には西武百貨店が撤退し、活気が失われた。そこで、打ち出したのが住みよい街にすることで発展を目指す「都心居住」だ。この方針に沿った形で00年代から再開発が進み、周りにはマンション4棟が建てられた。
「これまで商店主が街づくりの担い手だったが、『自分が住む通り』として、その在り方を住民の皆さんと考える時が来た」と高津さん。昨年3月に域内の誰もが参加できる「広小路3丁目通り振興組合」を設立した。
だが、参加するのはいつも同じメンバーで「街づくりは商店主がやるもの」という認識を変えるのは並大抵ではなかった。そこで「街への思いをわかりやすく紹介することで、活動に興味を持つ人が増えるのでは」と考え、記念会で意気投合したユニット「CHI&ME(チトメ)」の竹本甲歩さん(28)に冊子づくりの協力を求め、昨年9月から作り始めた。
竹本さんは浜松市出身で大学進学を機に豊橋に。初めて歩いたのは広小路で、「古さと新しさが混在していて、人の温かみもあった。いつかこの街に関わってみたいと思っていた」と話す。
冊子のテーマは「継ぐ」。表紙は、発展会の元理事長で高津さんの父政義さん(85)と由久さんの2人に。これから始まる未来を、アーケードの長く伸びる道の入り口に立っているデザインで表現した。中面は竹本さんが高津さんに取材した街への思いや歴史をまとめた。
高津さんは「竹本さんがポツリと言った『街をかみしめる』という言葉がお気に入り。時間をかけて広小路を面白がる人が増えてほしい」と笑った。
活動は月1回の会議や勉強会など。興味がある人は「料理道具専門店TAKATSU」(0532・55・8271)へ
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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