豊橋市の長坂尚登市長が市長選で配った法定ビラについて、前市長のパワーハラスメントに関する引用記事に対し市の調査委員会が「事実関係は確認できない」としたことで、5日の市議会本会議は市長への関連質問が相次いだ。代表質問で星野隆輝氏(まちフォーラム)は結果を踏まえた出直し市長選の考えをただしたが、市長は「今は何も考えていない」と述べるにとどまった。
星野氏はパワハラ調査委が4日公表した結果報告を基に、長坂市長の確認団体が制作、配布した法定ビラの記載内容を確認したうえで配ったかをただした。長坂市長は「一定確認している部分がある」としたが、その方法は「情報源のプライバシーのこともある」と答弁しなかった。
パワハラの事実を確認できないとする結論を基に星野氏は「浅井由崇前市長の名誉を著しく傷付けた」「有権者の投票判断を誤らせたのではとの恐れがある」とした。その上で11月の市長選が公平で公正な選挙だったのかという問いに、長坂市長は「市長として評価する立場にはない。現時点で選挙結果は有効とされている」と答弁した。
選挙結果そのものへの疑義が出始めたことを挙げ、星野氏は「これらの疑義を晴らした選挙で市長を選ぶべきだ」と指摘。出直し選挙で有権者の信を問い直す考えをただしたが、市長は「現段階では何も考えていない」と明言を避けた。
市長への質疑では12月の一般質問と同じく「市長就任前のこと」「一般事務ではない」と答弁を避けた。何度も議事進行や休憩を重ね、伊藤篤哉議長が長坂市長に明確な答弁を要求。質問者の趣旨確認などで議事はさらに滞った。議場では追及する自民などから「不誠実だ」との声も挙がった。
この日の本会議では自民の提案で、法定ビラに端を発したパワハラ調査委の報告を踏まえた緊急質問も日程に追加。坂柳泰光氏(自民)、菅谷竜氏、諸井菜々子氏、山口倫世氏(新しい豊橋)、古池もも氏(とよはしみんなの議会)、伊藤哲朗氏(自民)、斎藤啓氏(共産)が登壇した。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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