豊橋ゆたか学園が小規模グループケア新設、実社会へ向け「バリア有り」に

2025/04/08 00:00(公開)
新設した小規模グループケア=いずれも豊橋ゆたか学園で

 社会福祉法人「豊橋福祉事業会」が豊橋市高師町北原で進めてきた障害児入所施設「豊橋ゆたか学園」の大規模改修工事が完了。4月から新しい施設での生活が始まった。

 

 ゆたか学園は1969年4月に定員50人で開設、94年4月に定員40人として現在地に移転改築した。現在は障害のある18歳以下の子どもたち37人が入所している。

 

 移転から30年を経て施設は老朽化。園児への個別ケアが不足している状態だったこともあり、建物の修繕と合わせ、一部小規模グループケア体制を整備するべく一昨年から準備を進めてきた。昨年8月末に着工、今年3月25日に完成した。

 

 新園舎は延べ床面積は1階1043・13平方㍍、2階207・50平方㍍の計1250・63平方㍍。40人定員で、2階に小規模グループケアを新設した。総事業費は3億4210万円。

 

 「とにかく子どもも職員も使い勝手のよい施設にしたかった」と中野章園長。門扉を新調し、動線を考えて、玄関の位置を変えて離れていた事務室と職員室を管理棟に集中させ、管理棟を挟むように男子棟、女子棟を整備した。床や壁などをきれいにしたほか、女子用の浴室や心理室を新設。職員の休憩スペースも捻出した。

 

 皆が集まり、職員も世話をしやすいリビングを各棟に設け、子どもたちの工作などをしまえる収納スペースも増やした。女子棟から園庭まで遠かったことから中庭として芝生広場も作った。

 

 一方、2階の小規模グループケアは男子5人、女子5人で居住するユニットを一つずつ設けた。男子は中学1年~高校2年、女子は中学1年~高校3年が暮らすことになっている。社会に出ても困らないよう、過剰なバリアフリーを避け、あえて「バリア有り」の生活を経験させるという。

 

 中野園長は「引き続き園のスローガン『できる!をもっと』を体現するため、子どもたちも職員もお互いに成長し合い、個のニーズに合わせた生活環境への配慮および社会性の伸長につながる支援の向上を目指していきます」と抱負を語った。

新設したリビング
新しい芝生広場で遊ぶ子どもたち
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田中博子

 愛知県豊橋市生まれ。大学卒業後、校閲記者として入社。1年後に報道記者に転身した。2020年から報道部長。芸術、福祉、経済・奉仕団体などを担当する。趣味は、かなりジャンルに偏りのある読書と音楽鑑賞。思考のそっくりな一人娘と趣味を共有している。

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